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『子供じゃないだぁ? なに言ってやがる、17なんてガキンチョだろ。まぁいいや、起きて顔洗ってこい。朝メシ出来てるから』
『ガ、ガキンチョって、あっ! ……行っちゃった』
バラカスは好きに勝手に言い散らかして、さっさと部屋を出ていった。
んも……ちっとも キュルンじゃない……ウチ、騙されたよ……
昨日、初めて会った時。
なんて可愛いパンダちゃんだろうと思った。
『キュルン!』とキュートに小首を傾げ、ウチのココロをギュッと掴んでトリコにしたの。
白雪ちゃんの親友が男性だとは聞いていたけど、正確には人じゃなくてパンダだし、こんなに可愛いフワモコちゃんなら、一緒に住んだらほんわかしそう、癒されそうと思ったの。
それがまさか……こんなに口が悪いだなんて想像すらしなかった。
バラカスさんと一緒に住みたい!
ウチが言ってすぐ、バラカスは一枚の笹の葉を差し出した。
『キュルン! キューキューキュ……キュエ!』
な、なんて言ってるんだろ……?
キューキューだけじゃ分からなくって、ウチがモジモジしていると、白雪ちゃんが『その笹を食べてみて』と言ったんだ。
さ、笹を食べるの? なんで? いきなり? 今ココで?
えぇ……?…………あっ! そっか、分かった!
笹はパンダの大好物。
それをウチにくれるのは、きっと親愛の印なんだ!
どーしよ……嬉しい……それなら喜んでいただかなくちゃ!
笹なんて食べたコトないけど、でも、でも、
はむっ!(もしゃもしゃ……ごくん)
あ、意外とおいしい。
笹を食べたウチを視て、パンダちゃんは嬉しそうに頷いた。
えへへ、喜んでる……可愛いなぁとニマニマしたのも束の間、パンダちゃんが豹変したの。
『キュウゥン! キュキュキュキ……か? ……マジョリカ、俺の言ってるコトは分かるか?』
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