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『ねぇ、マーちゃん。このあとゴハンを食べに行かない?』
ふわんと笑顔の白雪ちゃんが、ウチを誘ってくれたんだけど、その時、遠くから大きな声が聞こえたの。
____長ー! 長はいずこー!?
トラブル発生です! 入国したてのカンガル族が10頭、『オレ達は死んでないぞー!』と思いっきり暴れてます! 誰も止められません! 戦闘民族相手じゃムリー! 長、助けてー!
『あ……と、緊急事態発生。マーちゃんゴメンね、私行かなくちゃだわ』
どこかでトラブルがあったらしく、白雪ちゃんが呼ばれてしまった。
『だいじょうぶ? 戦闘民族が暴れてるとか言ってたけど……』
心配でそう聞くと、白雪ちゃんは力強く笑った。
『まったく問題ないわ。戦闘民族くらいなら片手で充分対応できるわよ。それより私から誘ったのにゴメンね。ゴハンはまた今度にしましょう。
ああ、そうそう。家に帰ったらバラカスに伝えてくれる? 今夜、システムの臨時メンテナンスをしてちょうだいと』
『臨時メンテ? システムって……バラカスのオウチにあるコンピューターの事?』
『そうよ。黄泉の国公式機。すべての管理をバラカスがしている9999台のサーバーの事よ。それの臨時メンテをしてほしいと、……そうね、今日あった事をバラカスに話しながら伝えてちょうだい』
____長ー! 白雪長ー!
まだですかー!? カンガルパンチの雨あられです! 早く来てー! おーたーすーけー!
『やだ! 相当ピンチみたい! 私もう行くわ! マーちゃん、さっきのバラカスに伝えてね、それと真っすぐ帰るのよ、じゃあね!』
ブンッ!
言うだけ言った白雪ちゃんは、短い音を最後に姿を消した。
暴れん坊のカンガル達を止めに行ったんだ。
心配だな……と思ったけど、白雪ちゃんはすんごくすんごく強いんだった。
だからきっと大丈夫。
白雪ちゃん、気を付けていってらっしゃい。
『さてと……ウチも帰ろ。今夜のゴハンはなにかな、』
なんてコトを考えながら、ウチはバラカスの待つオウチへと足を急がせたのだ。
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