第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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バラカスの笑いの波が、やっとのコトでおさまった。 んも、そこまで笑うコトないのに、……なんて、ちょっぴりブーブー言いながら、ウチは白雪ちゃんから預かった、バラカスへの伝言を伝えたの。 ____今夜、システムの臨時メンテナンスをしてちょうだい、 『マジョリカ、確かに白雪はそう言ったのか?』 珍しく真面目な顔のバラカスが、伝言内容に間違いがないか聞いてきた。 大丈夫、間違えないよ。 だってそんなに長い伝言じゃない、間違いようがないもの。 『うん、そう言ってた。だけど臨時のメンテだなんて何かあったのかな』 どれかのシステムに不具合が出たのかもしれない。 それでメンテナンスの依頼をしたんだ。 バラカスは少しの間、腕を組んで無言になった。 ウチはその間お茶を飲み、ジャスミンティーの爽やかな香りを堪能する。 ああ……おいしい。 バラカスはウチの好きな飲み物も知ってるんだなぁ(ジャスミンティー大好き)。 …… ………… 『マジョリカ、』 バラカスがウチを呼び、そして続けて言った。 『白雪の依頼通り、これから各システムのメンテを始めるからよ。おまえも一緒に来い。視たコトねぇだろ?』 それだけ言うと、スクっと立って、ウチの返事を聞く前にズンズン前に歩き出す。 『んも……またウチの都合は無視なんだから。でも……メンテなんておもしろそうだ。バラカスが働いてるトコも視たいし、……あっ! 待って、ウチも行くってば! 働くお父さんが視たいのー!』 パンダの一歩はウチの十歩。 ウチは小走りに、バラカスの後を追いかけたのだ。
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