第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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あの日から、バラカスはウチのパパになったんだ。 相変わらず口は悪いし、やることなす事大雑把。 でも優しいの。 いつだって守ってくれるし愛情が深いんだ。 …… ………… ……………… バラカスと家族になって23年の月日が流れた。 いまだパンダは変わらぬ愛をそそいでくれる。 ……………… ………… …… 『そうだったわねぇ。私ね、あの時はびっくりしたのよ。臨時メンテナンスを頼んだ次の日。バラカスは突拍子もなく「マジョリカは俺の娘になったから」なぁんて言い出すんだもの』 昔を思い出したのか、白雪ちゃんは笑いながらそう言った。 『あはははは、そうだよねぇ、びっくりするよねぇ』 『だけどね、すごく安心したのを覚えてる。最初の約束では、一緒に暮らすのはマーちゃんが落ち着くまでの数か月だけ、それ以降は家に帰して自立をさせるって言ってたの』 『え、そうなの? その話は初めて聞いたよ。バラカス、そんなコトを言ってたんだ……』 『そうよ。「俺だって忙しいんだ。事情は分かるがずっと面倒を視れる訳じゃねぇからな」って。なのに……それから、たったの3か月で真逆なコトを言い出したんだから笑っちゃうわよねぇ』
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