第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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『大倉と? うん、仲良くやってるよ』 だって昨日も一緒だし(声だけだけど)。 ウチと(黄泉の国)ジャッキと大倉と(現世)、3人で、バラカスパパと白雪ちゃんを視守ったんだ(決してのぞいてたんじゃない)。 色んなコトがあったけど、ようやく恋が成就したから、オウチに帰ってみんなで祝杯。 飲みのタイトルは、 【バラカスの100年続いた片想いが本日をもって終了となりました。今日から始まるバラ色の両想いライフを祝し、今夜は朝まで飲んで飲んで飲みまくるぜぇ!】  こんな感じでやたらと長い。 コレはジャッキが考えたんだ。 読んだラノベに似たようなのがあったんだって。 ウチがこう答えると白雪ちゃんは、 『そっか、仲良くしてるなら良かった。ごめんね、余計なコトを聞いたわ。気にしないでね』 と眉毛を下げて笑ったの。 ん、……なんとなく、白雪ちゃんが言いたいコトは分かるよ。 たぶん、きっと、心配してるんだろな。 少し、話しておこうかな。 『ねぇ、白雪ちゃん』 伸びた髪をふわんと揺らして、白雪ちゃんは『なぁに?』と答える。 ウチは、夜空みたいなキレイな()を視て聞いたんだ。 『ウチのコト、心配なんでしょ?』←ずぃっとちょっと近付いた。 『そ、そんなコトないわ』 ←明らかに挙動不審。 『 ホントにぃ?』←現世で視たドラマみたいに揺さぶった。 『ホ、ホントよぉ、』←汗かいてる、効いてる効いてる。 『ちょっとも?』←追い打ち一丁。 『えぇ……、あ……うん、ホントはちょっとだけ……心配かな』←白状したっ! ウソのつけない白雪ちゃんは、言ってしまってアセアセしながら両手で顔を扇いでる。 ウチはというと、半分減ったお茶のカップに指を鳴らして氷を入れた。 『はい、飲んでみて。緑茶はアイスでもおいしいんだ』 『あ、ありがと。いただきます…………あ、ホントだ。冷たいのもおいしい』 ピンクのカップを子供みたいに両手で持って、お茶を飲んでる白雪ちゃん。 大好きで大切な、ウチの大事な親友だ。 あんまり心配かけたくないな、いつもニコニコ笑ってほしいな。
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