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◆
____大倉弥生を独りに出来ない、
最初に言い出したのはウチの方なんだ。
ん?
本当だよ、ウチが言ったの。
あの日。★
白雪ちゃんに【闇の道】をのばしてもらった日から2週間。
ウチ、お休みもらって現世にいたでしょ。
ずっとジャッキのオウチにいたんだ。
どこにも出かけなかった。
部屋で2人で寄り添って、ずっとずっと話をしてた。
今までみたいな ”他愛のないおしゃべり” じゃなく、顔を視ながら、本音で本気で話をしたの。
新しい発見がいっぱいあったよ。
話をしていてお互いに、こんな一面もあったんだ……なぁんて、驚いたり笑ったり感心したりと忙しかったのを覚えてる。
ん……ほんと、発見の連続だった。
結婚して8年。
声だけとはいえ、ほとんど毎晩話してたから、お互いの性格は知ってるつもりでいたの。
だけど違った。
話せば話すほど、ウチの知らないジャッキが出てきてさ。
その中には ”弱いジャッキ” も ”ちょっぴり情けないジャッキ” もいたんだけど……ウチはね、 そんなジャッキも愛おしいと思ったの。
弱い所も強い所も、その両方がジャッキだもん。
どんなジャッキも大好きだから、もっと知りたい、ジャッキの全部が知りたいよって……
ウチがそう言うと、ジャッキは嬉しそうな顔をした。
同時、ホッとしたような表情も視せたんだ。
『自分は気負いすぎてたのかな、……マジョのコトが好きすぎて、良い夫でありたい、弱い所を視せて嫌われたくないと思ってた。それが空回っていたというのに、』
んも……呆れちゃう。
そんなコトでキライになんかならないのに。
愚痴だってなんだって言って欲しい。
ウチをもっと頼って欲しいし、信じてほしい。
ジャッキはさ、思ったより大人じゃないよ。
でも好き、大好き。
……
…………こうやって顔を視て話すって大事だな。
きっと、声だけのやり取りじゃあこうはいかないよ。
話せて良かった、現世に残って良かった、……って、こう、思えるのは大倉の、……おかげなんだよね。
ウチの意志だけじゃ現世にはいられない。
霊力者が、ここにはいない大倉が、ウチの為に、ジャッキの為に、身を削って口寄せをし続けてるからいれるんだ。
★第十六章の後半、マジョリカがバラカス経由で白雪ちゃんに【闇の道】をのばしてもらったあたりのシーンがココです。
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=902&preview=1
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