第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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寝る間も惜しんでたくさん話した。 もっと知りたい、それからもっと知ってほしい。 2人の気持ちはおんなじで、ひっきりなしにコトバを交わた。 交わすほどに、わだかまりが溶けていく。 出逢った頃の恋の気持ちが鮮明に蘇る。 ウチね、それがすごく嬉しかったんだ。 ジャッキの気持ちが戻ってきた、これからも、ずっと一緒にいれるんだって思ったら、泣きたいくらい幸せで、……幸せで…………幸………………、 ____ごめんな、みんなアタシが悪いんだ、 ____アイツが好きなのはマジョリカだけだ、 ____マジョリカはアタシが守るから、 幸せなのは絶対で、ホッとしたのも本当で、それなのに……頭のすみにあの子の顔が勝手に浮かぶ。 大倉……今頃なにしてるんだろ……? 3人でも話し合いをしたかったのに、黙って帰ってしまったの。 それ以来会ってない。 何度かジャッキが電話をしたけど1回も出なかった。 向こうからもかかってこない。 …… ………… ……………… ジャッキのオウチで一緒に過ごして、あっという間に一週間が過ぎた。 毎日が楽しくて、逢えなかった8年間が幸せ色に上塗りされる。 大倉は変わらず音沙汰がないままだ。 あの子……本当に何してるんだろう? 連絡、してこないのかな? ウチを現世に留めているのに、それだって大変だろうに。 何も言わず、顔も視せず、ただただ1人で口寄せをし続ける、……なんでそこまでするんだろう? あの子の性格なのかな。 恩を着せてもおかしくないのに、そういうの、なんにも言ってこないんだ。 大倉が無言を貫く中。 ジャッキとウチは改めて、これからも一緒にいると決めた。 ジャッキは今後、大倉と2人で会う事はないとも言ったんだ。
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