第二十一章 霊媒師 ……もいる、黄泉の国の話

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そう言われて、ウチは両手をおろした。 カタナはおしまい。 いっぱい動いて頭の中がクリアになった、だから今日はもうおしまいでまた明日。 『マジョ?』 ジャッキがウチを覗き込む。 ああ……やっぱりかっこいいなぁ。 ジャッキはさ、年をとっても素敵だよ。 大好きな旦那さん、ウチは優しい目を正面からジッと視る。 大きく息を吸った。 今からジャッキに話すコト。 果たしてこれが正しい事なのか、それでうまくいくのか、今のウチには分からない。 綺麗事ではすまないかもだし、きっと嫉妬もするだろう。 もしかしたら喧嘩をするかもしれないし、途中でやっぱりこんなのヤダってなるかもしれない。 だから、もしかしたら、こんなコトを考えたウチはおかしいのかもしれない。 でも、でもね、これからずっとモヤモヤするのはやなんだよ。 大倉はジャッキと離れて独りになった。 これから始まるあの子の孤独と引き換えに、ウチだけが幸せになる。 仕方がないよと何度も思った。 だけど気になって仕方がないの。 これから先、1000年たっても気になるなら、これから先、ふとした時に思い出すなら、だったらいっそ…… 『ねぇ、ジャッキ。大倉のコトで話があるんだ。聞いてくれる?』 …… ………… ……………… それから____ ウチとジャッキは何日も話し合った。 寝る間も惜しんで納得いくまで、ぶつかっても、意見が分かれても、腐らず、諦めず、話し合ったんだ。
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