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さて……なんて言おう。
もぐもぐと食は進み、懐かしい素麺も残りは僅か。
食べ終わったら話そうと思うんだけど……ココは慎重にいかねばならない。
切り出し案その1____
聞いて母さん!
僕が急に帰ってきたのは気まぐれじゃあないんだよ!
母さん達、“株式会社おくりび” ってトコから霊媒師を呼んだでしょ?
その霊媒師っていうのが何を隠そう……実は僕!
アナタの息子なんでーす!
サプラーーーーイズ!
驚いた?
僕、霊媒師になったんだよ!
手に職系の専門職!
どの辺が専門かと言うと、指から電気を出しちゃうトコかな!
…………いや、これはダメだろ。
こんなん言ったら、余計に拗れるわ。
切り出し案その2____
食べ終えたら、さり気なくスマホをいじる。
で、ウチの会社のホームページの、社員紹介のページを出す。
それをテーブルに乗せたまま、これまたさり気なくトイレに行く。
んで、戻ってきたら、きっとそれ見た母さんが、「英海、これ何なの? ここにあんたの名前が載ってるけど……」と言ってくる。
んで、んで、そこで僕が「そうなんだ、実はね」と、洗いざらい自白(?)する。
……って、コレって切り出すとは言わないか。
ただ単に、自分に勢いをつけたいだけだ。
そうしちゃえば言わざるを得ないもん。
てか……そもそも母さん達は、どうやってウチの会社見つけたんだろ?
誰かに聞いたのかな?(誰に?)
もしそうじゃなくて、ネット検索でたまたま引っ掛かったのだとしたら、ホームページの社員紹介を見なかったのかな?(セキュリティ上、顔写真は載せてないけどフルネームは載っている)
見てれば電話くらいかけてきても良さそうだけど……電話なんてなかったし、今の母さんの様子じゃあ、どうも僕が霊媒師やってるって知らなそうなんだよな。
でもまてよ……、これが名演技だったらどうする?
まさか……すべてを知った上で僕を呼んだとか言わないよねぇ……?
だとしたら、それはそれでイヤなんですけど。
頭の中はグルングルン。
それでも口は休まずに、残り一口、素麺を平らげた。
「ごちそうさまでした。あーおいしかったー」
膨れたお腹をさすさすしながら、淹れてくれたハーブティーに手を伸ばす。
さすがは母さん、食後のお茶を出すタイミングが絶妙だ。
僕だとこうはいかないよ、数秒遅れが出てしまう。
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