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「それでね、頼んだレーバイシさんは今日来るの。ちょうど良かった。英海も一緒に立ち合ってちょうだい」
や、待って、
その霊媒師って僕だし、
もう着いてるし、
立ち合いはしたくても本人だから出来ないしぃ……!
「あのね母さん、僕ね、」
早く言わなきゃ、今言わないと拗れるだけだ思うのに、母さんの話が止まらない。
「ああ、でも英海が来てくれて良かったわぁ! きなこの為ならそりゃあもちろん何でもするけど、レーバイシなんて初めてだし、お父さんは仕事だから帰ってくるのは夜だし、私1人で不安だったのよね。だってもしもお高い壺とか買わされたらどうしようって思うじゃない」
壺?
やだ、なに言ってるのさ。
そんなモノ売りつけないから安心してよ。
てか、霊媒師呼ぶの不安だったんだ、でもきなこの為に頑張ったのか。
ま、気持ちは分かるよ。
毛玉の為なら何でもしちゃう、なんたって岡村家は大の猫好きだからねっ!
言いたいコトを全部言って気が済んだのか、ここで母さんの話が止まった。
チャーーーーンスタイムッ!
言うぞー!
「母さん……! あのね、僕も話があるんだ。どうか驚かないで聞いてほしい。実はね、母さん達が呼んだ霊媒師っていうのはね……その……僕なんだ、僕がその霊媒師なの……!」
い、言った、言ったったーーーっ!
心臓がドキドキいってる、手のひらに汗が滲んで、喉もなんだか乾いた感じ。
僕はカップに手を伸ばし、ミントティーを一気飲み。
突然のカミングアウト。
母さんはポカンとしながら、
「ふぅん、そう」
反応薄くそう言った。
「あ、あれ……? “そう” って、それだけ? もっとこう驚いたりしないの? や、それならそれでいいんだけど、それにしたって、あ、あれれー?」
予想外の反応に、僕の方がアワアワだ。
一方、母さんはというと……
「”僕が霊媒師なの” って……なんの冗談? いくらなんでも騙されないわよ。あんたが霊媒師のはずないじゃない」
”やれやれ” みたいに肩をすくめて半笑い。
ちょ、違うから、騙しじゃないから、ガチだから。
「母さん待ってよ、僕本当に霊媒師なんだ。今日突然来たのも、依頼を受けたからだよ。たまたまの偶然だけど、この現場、僕が担当になったんだ」
「やだ、まだ引っ張るの?」
「や、だからね、引っ張るとか、そういうんじゃないんだってば。本当なんだ。前に言ったでしょう? 新しい仕事は ”手に職系の専門職” って。それが霊媒師なんだよ」
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