第二十二章 霊媒師 岡村英海

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え……? え……? えぇぇぇええええええええ!? やっ! 嘘でしょ!? 僕死んだの!? いつぅ!? 待って! ちょ! そんなバカな! で、でもココウチュウ! ジャッキーさん言ってたじゃーん! 【光る道】は宇宙に架かるって! 宇宙で呼吸も問題無しって! わお! ガチか? でもダメ! まだダメ! まだ逝けない! だってお姫を視つけてないもーん! 姫を視つけて助けるまでは絶対死ぬわけいかないの! すこぶるパニックに陥った(そりゃそーだ)。 とりあえず、【光る道】には乗らないぞ、黄泉の国にはまだ逝かないぞと、道から逃げる気満々で、回れ右のイチニのサンでダッシュをかけた、つもりが、次の瞬間何かにつまずき、 「うわぁ!(ボフンッ!)」   間抜けに叫んで前のめり、僕はそのまま転んでしまった。 「イテテテ……テ……って、ん? ウソ、痛くないや」 条件反射で ”イテテ” なんて言ったけど、身体がどこも痛くない。 死んでユーレーになったから?  いやチガウ、痛覚は死んでなおあるはずだけど……ん? 違和感を感じたのはその時だった(ま、もうすでに違和感だらけで今更だけど)。 転んだ僕は、目には視えないなにか(・・・)に受け止められたんだ。 それはとてもフカフカで柔らかく、手から伝わる感触は、馴染みが深くて慣れ親しんだ……ってコレ、布団じゃないか? なぜ、宇宙の真ん中で布団を感じるのか。 僕の目にはどこを向いても輝く星々、布団なんてどこにもない。 それでも、横たわるからだの下にはフカフカとした羽根布団の感触がある。 なんだこりゃ……(布団らしきをナデナデ)……あー、うん、間違いない、これやっぱり布団だわ。 ん? ん? んんんー? 違和感はさらに強まり、新たな疑問が湧き上がる。 そもそもさっき、僕は何につまずいたんだ? 宇宙(ここ)にはたくさん星があるけれど、逆に言えばそれ以外に何もない。 それはすなわち、つまずくモノは無いはずなんだ。 だけど僕はつまずいた、そして布団らしきに倒れ込み、今はゴロゴロしてるんだ。 どういう事……? 目に視える宇宙、目に視えないお布団。 それって一体………… …………あっ(ピコーン!) も、もしかして!!
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