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とりあえず霊視は出来た、ただし遠いし猫捜しに宇宙だなんて見当違いもはなはだしい。
クソ……!
霊視さえまともに出来りゃあ、状況は一気に変わるというのに、これじゃあ大福は視つからない。
どうするか……霊視は諦めて家の中を肉眼のみで探すか、それとももう一回だけ霊視を試すか……悩むな、でもグズグズはしてられないぞ。
こうしてる間にも、大福がどんな目に遭ってるか……あ……嫌だな、へんなイメージ湧いてきちゃった。
縁起でもない、悪い方に考えすぎるのはよそう。
それよりも、霊視と肉眼、どっちにするか決めなくちゃ。
もし霊視をするなら、さっきみたいな失敗はしちゃダメだ。
それこそ、成功イメージを頭に浮かべるのが大事で。
そういえば瀬山さんが言ってたな。
____キミはどうしたいの!?
____イメージして!
____それを具現化するんだよ!
さっきだってイメージはしたさ。
大福を視つけたい、助けたいって。
でも視えるのは宇宙だけ、想う気持ちが足らないのか、それとも僕がダメダメなのか……分からないけど、……うん、でもやっぱりもう一回だけ、すっごい気合いの入ったイメージでリトライしよう(これでダメなら諦める)。
……
…………
脳内で……抱っこのお姫を床に降ろした。
途端、弾むように走り出す大福。
まんまるオシリが綿帽子を思わせて、お得な三尾もフリンフリン。
僕はその後ろを全力で追いかけた。
どこまで行っても果てのない白い空間。
油断をすれば真白な猫を視失う。
そうならないよう、僕は目を凝らして後を追う。
延々走っているうちに、白いだけの空間が一転、同じく果てない宇宙に変わった、……また宇宙かよ。
やっぱりダメか……と挫けそうになったけど、脳内の大福はまだまだ前を走ってる。
霊視で視ている映像と、脳内のイメージがフラッシュみたいに途切れ途切れに重なって、ダメで元々、僕はそのままお姫の後を追いかけた。
「大福、待って!」
____うなぁん!
カ、カワイイ!
まるくてフカフカ。
後ろ姿はほとんど毬で、頭にちょこんと三角耳がついている。
その耳は、僕が呼ぶたびピョコっと小さく動くんだ。
ああ……なんてラブリー、なんてキュート、なんて愛しい存在なんだ……!
涙が出てくる、生死を超えて出逢えた奇跡。
今あの仔を視つけなければ二度と逢えないかもしれない。
そんなの……そんなの……絶対に嫌だっ!
思った途端に涙腺決壊。
涙がダクダク流れだしたその時、
____うな、
前を走る大福が止まった。
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