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「いたーーー! 大福! 良かった! 視つけたーーー!」
心の底からホッとした。
斑に姫がさらわれてから生きた心地がしなかった。
いなくなって不安になって、もしこのまま逢えなくなったらどうしようと、途中でガチ泣きしたくらい。
やっと視つけた!
本物の、僕の大事な愛しい猫又…………!
……
…………
………………と、そのオトモダチ、
ん?
んん?
んんんーーーー?
猫が、……増えてる。
僕の知らない猫がいる。
な、なんで?
んんー?
開けたドアの部屋の中。
大福は壁の中でも天井でもなく、ベッドの上で横になっていた(これなら霊視いらなかったな)。
いつもキュルンでキラキラの、可愛いおめめを半開きにして、桜色がデフォルトの、ちっちゃなお鼻にシワを寄せて。
四肢を伸ばしてダランとゆるく動かない、てか動けないっぽい。
そう、…………大福は知らない猫にされるがままになっていた。
オトモダチはお姫に抱きつき、白い毛皮をしつこいくらいに毛繕い。
目を閉じてザリーンザリーンと舐め続け、時々、カプカプカプと甘噛みし、嬉々としながらまた舐める。
猫同士の毛繕い……これはまさしく親愛の証だ。
この仔はお姫が好きなのかしら……って、好きなんだろうな、そうでなければこんなにザリザリしないよな。
ただ、毛繕いはあんまり上手じゃないみたい。
毛並みを無視して好きなように舐めるから、姫の毛皮はヨダレでしっとり逆立っちゃって、とんでもなくグチャグチャだ(それでも可愛いけど)。
「あ、あのー、お取込み中すみません。大福さん、ちょっと質問いいですかね?」
待っていても終わりそうにない……そう判断した僕は、横になる猫又に声をかけた。
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