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霊視の印の全ての工程を結び終えた。
頭の中で「おはぎの過去が視たいです」そう何度も念じ、目を閉じて、肉眼では視えないモノが視えてくるのを待っていた。
数秒後……閉じた瞼の裏側に、眩く光る数多の光がフェードイン。
あ、ん、やっぱりそうか、ちょっとは予想したけどさ、どうしても、最初はココに来ちゃうんだ。
「まただ、宇宙ーーーーーーー!!」
閉じた目を、開けてみたけど景色は変わらず。
キョロキョロ辺りを視渡せば、上下左右の全方向、輝く光はまるでネオンか宝石だ。
「ん、そうね、この景色もちょっとは慣れたけどさ。どうしていちいち宇宙に来ちゃうんだろ。今度先代に聞いてみよっと。とにかく、僕はおはぎの過去が知りたいの。視る為の出発点が宇宙だろうとどこだろうと、今は視ればそれでいいや。
____ね、おはぎ」
言いながら……脳内で生み出した、抱っこのおはぎを下に降ろした。
小さなおはぎは僕を視上げて『へにゃ』と鳴くと、跳ねるように走り出す。
長い一尾がクルクル回って、それがなんだかプロペラみたい。
僕はその後ろを軽いランニングで追いかけたのだが、さっきよりは楽ちんだ。
おはぎの走るスピードは大福よりは遅いのだ。(そうは言っても早いっちゃー早いけど)。
煌めく星を楽しむ余裕があるくらい。
どこまで行っても星が途切れる事はく、赤青黄色に緑に紫、果ての果てまでキラキラだ。
しばらく僕は、宇宙ランナーと化していた、……のだが、ココでおはぎが立ち止まり、宙に浮いた四つ足を踏ん張るように固定した……って、キタコレ!
大福の時とおんなじだ。
頭の中でこしらえた可愛いおはぎ。
想像の賜物をひたすら走って追いかけてたけど、ココにきて、またもや勝手に意思を持って動きだす。
おはぎの可愛いオシリプロペラ。
これがクルクル高速で回りだし、宇宙なのに強い風が吹き荒れた。
その風は宝石みたいな星を巻き上げ、豪奢な竜巻に進化する。
竜巻は僕の髪をこれでもかとかき混ぜて、前髪がチクチク目に入りこむ。
イテテと数瞬目を閉じて、それで、次にもう1度開けた時、そこに視たのは……
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