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「く、熊手!? デカッ!」
”宇宙専用大きな熊手” 、というのがあるのなら、目の前のコレで間違いない。
突如現れた巨大な熊手は飛行機くらいの大きさだ。
その熊手があっちをザザー、こっちをザザー、まるで枯れ葉を集めるみたいに星の欠片を集めだす。
その間、プロペラは景気よく回り続けて、おはぎはすこぶるゴキゲンだった。
なんじゃこりゃ……呆気にとられてポカンとしながら、集まる欠片を眺めていると、いつしかそれは一ヶ所に集まりだして、”赤・橙・黃・緑・青・藍・紫” 、この順番で横一列に並んだの。
で、
クルクルクルクルクルクル……ブオンッ!!
プロペラが派手な音を鳴らした瞬間、カラフルな星の欠片がより強く発光し、弧を描いてうんと果てまで伸びたんだ。
「えぇ!?………………えっと……えっと……これってば……虹? 知らなかった……虹ってこうやってできるんだな、」
僕とおはぎの足元には大きな虹の起点があった。
おはぎのオシリのプロペラは今は止まり、リズムをとって左右にゆっくり動いてる。
で、で、
『へにゃあん』
とっとと歩くおはぎが僕に振り向き、着いて来いと言ったんだ。
「これを渡るの?」
聞けばコクコク頷いて、虹の起点にアンヨを乗せる幽霊猫。
「そっか……この先に何かがあるんだね? 分かった、行こう。“虹の橋” を一緒に渡ろう、」
『へにゃっ!』
元気に答えるおはぎの後ろ。
眩く光る虹の橋を、僕はテクテク歩き出したのだ。
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