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『おはぎ、おいかけっこはまた今度。ほら視て、ココにハムスターがいるでしょう? さっき眠ったばかりなの。だから私、今は動けない』
ハムスター?
そんな子どこに……と思ったらいた!
香箱座りの胸のトコ、ちょびっと出てる前足に乗っかって、雪のように真白なハムスターが眠ってる。
気づかなかった、大福と同じ色で同化してたんだ。
そのハムスターは安心しきった無防備さでスヤスヤと眠っていた。
大福は目を細めハムスターを、そしておはぎを視る。
おはぎは途端、声を潜めてこう言った。
『……ちぇ、ハムが寝てるんじゃ仕方ない。日向ぼっこでガマンする』
おはぎは尻尾をぶんぶん振って不満そうにしてるけど、だけどそそくさ姫にくっつき香箱座りで落ち着いた。
か、可愛い……白猫とサビ猫が大きな団子で、ハムスターは小さな団子。
3匹仲良く寄り添って、暖かな陽ざしに目を閉じる。
平和だなぁ……ほのぼのしながらまわりを視れば、他の子達も似たり寄ったりですごしていた。
あそこにいるのは……ウサギと陸亀だ。
ウサギはちまっと小さくて、長い耳はシャキンと空に向いている。
ふかふか毛皮は淡いベージュで、ミカンの汁を薄めたような優しい色だ。
そのウサちゃんは亀の甲羅にヨイショと登り、『りっ君、小川に連れてって』と声を掛けていた。
”りっ君” って亀のコト?
言われた亀は『オッケー』と答えると、大きな霊体でノソリノソリと小川に向かって歩き出す…………お、遅いな。
なんでわざわざ亀の甲羅に乗るんだろ、ウサちゃんなら自分で歩けば早いのに……なんてね、野暮なコトを思ってしまった。
あの子達はあれでいいんだ、だってすっごく楽しそう。
ウサギと亀はそろって歌を歌い出し、途中で亀は『歩くの早い? 落ちないように気を付けて』なんて気遣いまでみせている(ウサちゃんは『ちょうどいい』と答えてた)。
鳥と遊ぶ大型犬、空を泳ぐ熱帯魚、フェレット、カワウソ、チンチラ、アヒル、……それと、カエルにジト目で視つめられタジタジになってるヘビもいる。
本当にいっぱいだ。
みんなココで、大好きな飼い主が迎えに来るのを待ってるの。
それはきっとおはぎも同じで、父さん達が迎えにくるのを楽しみにしてるんだろな。
そしてたぶん、ハムスターも大福も。
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