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先代は……すべてを知っていたのかもしれないな。
____大福ちゃんは元々、黄泉の国にある動物達の楽園、
____虹の橋地区にいた子なの、
____その大福ちゃんがこの世に来たのは、
____ある理由から、この世の誰か1人でも幸せにする為だったんだ、
そうだよ、前に先代はこんな事を言っていたじゃないか。
大福は、先代には自分の事情を話していたんだ。
僕には何も話してくれないのに。
今回、おはぎの過去を霊視した事により、思いがけず大福の過去まで知ってしまった。
知った事で、あの時のあの出来事はそういう意味だったのか……と気づいた事がいくつかある。
キーマンさんを諭していた時、大福はこんな事を言っていた。
____幸せだな、おまえは平蔵にちゃんと覚えてもらっている、
____愛する人に、大事な人に存在ごと忘れられた私とは雲泥の差だよ、
と。
あの時は、なんの事だか分からなかったけど、そういう意味だったんだ。
それからチビクマの時もそうだ。
チビクマの大好きなお姉さま、るりさんと再会出来ると決まった時、あの仔はクマに寄り添い嬉しそうにはしゃいでた。
帰りの車で2匹は大騒ぎをしてたんだ。
あれはきっと、過去の自分を思い出したのではないだろうか?
自分は忘れられたけど、クマはちゃんと覚えてもらっていた。
これから始まるクマの幸せ、それを想像して、自分と重ねて疑似体験をしてたのでは……と思ってしまう。
大福……ごめんよ、ヒント、いっぱいあったのに。
辛かった事、悲しかった事、なんにも知らなくて本当にごめんよ、
これからは今以上に大事にするからね、
すべてにおいて優先するは大福だ、
そりゃあ今でもそうだけど、もっと、もっともっと、
大福がしたい事、行きたい所、望む事はすべて叶えてやりたいよ、
お姫をもっと大事にする、改めて誓った僕だが、今はおはぎを霊視中と気を引き締めた(仕事をきちんとする事が、大福を守る事に繋がるんだと思うの)。
気合いを入れて、改めておはぎを視れば……仔猫はすっかりしょげていた。
無理もない……大好きな大福とハムスターまでいなくなったのだ。
落ち込むに決まってるよ。
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