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…………
『そうか……それは怖かったな』
雷神号は、しょんぼり俯くおはぎを撫ぜた、……途端、
『へ、へ、へ、へにゃぁぁぁぁぁん!』
激しく泣き出した。
気が抜けたのだろうな……今まで、1匹で我慢してきて、ここにきて雷神号に聞いてもらって、感情が抑えられなくなったのだろう。
そしからしばらく。
温かい犬の胸で、気が済むまで泣いたおはぎは、目はパンパンに腫れているけど、表情はスッキリしてた。
そして、いそいそと顔を洗い、ほっぺのカピカピをキレイにしたあと言ったんだ。
『らいちゃん、おはぎはもう大丈夫。お話聞いてくれてありがと。本当は……らいちゃんみたいに、トウとカアを信じて待ってる……って言えたら良いんだけど、でもやっぱりどうしても不安にゃの……だからこれから会いに行って、確かめてくる』
泣いてた猫が立ち上がる。
キリリと顔を引き締めて、決意を新たに岡村家に行くと言う。
それを聞いた雷神号も立ち上がり、真面目な顔でこう言った。
『そうか、行くか。良いと思うよ。せっかく現世に来たんだ。行って確かめておいで。おはぎはさっき、私のように信じて待っていられたら……と言ったけど、無理するコトはない。私は成犬だし、ましてや警察犬だ。それくらいの強さがあって当たり前なのだ。だがおはぎはまだ幼い、不安に思うのも当然だ』
『……らいちゃん……ありがと、』
『私はおはぎを応援してるし信じてる。きっと大丈夫だ。おはぎの主さん達はおはぎの事を忘れてなどいない』
『……うん……うん……ありがと……ありがと……!』
泣き虫猫は優しい言葉にまたもや泣いて、何度も何度もお礼を言うと、背を向けて真っすぐ前に歩き出す。
『おはぎ……! 頑張れ! 確かめて、気が済んだら虹の国に帰るんだぞ! ああ……だが大丈夫だろうか……道中が心配だ……またさっきのような悪い輩に絡まれでもしたら………………おはぎ! キミの家はどこなんだ? ここから近いのか? 近いなら良いのだが、もし遠いのなら私が送って……』
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