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そういえば大福も着いて早々、ミッションクリアしたって言ってたな。
なんせ最初に出会ったのが猫廃人の僕だったからねぇ。
お姫の魅力にノックアウトでフォーリンラブ。
その日のうちに部屋に招いて、そのまま甘い同居生活。
僕は世界一幸せだ。
脳内で100万回は再生している最初の出会い。
またもやオートで再生しかけた僕だったが、雷神号の渋い声に中断された。
『いや、待ってください。私が現世に到着したのは3日前。ミッションクリアの連絡をいただいたのは今さっき。という事は、大幅な記録更新ではないですよね。同じ3日で同率なのではないですか? それなのに表彰される訳にはいきませんよ』
おっふ。
さすが警察犬、真面目だ。
なんて思っていると、天からの謎の声がそれに答えた。
【いいえ、同率ではないですよ。連絡をしたのは今ですが、ミッションは3日前にクリアしてましたから。着いて早々助けてあげたでしょう? 雷神号さんの現世行きにこっそり紛れて、無 許 可 で 現世に行っちゃった、岡村家の末っ子を】
シン…………
あ、犬も猫も固まった。
何かを言いかけた口のまま黙っちゃった雷神号と、ボワッボワに尻尾を膨らましてるおはぎ。
2匹は目を合わせてしばしの無言。
先に口を開いたのはおはぎの方だった。
とは言えコトバになってないけど。
『にゃばばばばばばばばb』
パニック寸前、テンパリ猫は、目の前の大きな犬にしがみ付く。
しがみつかれた雷神号は、
『ここは素直に罪を認めて自首しよう。そうすれば罪は軽くなる、』
と、本職ゆえにガチな助言をしてくれた。
おはぎは素直に頷いて、きっと、たぶん、ゴメンナサイをしようとしたと思うんだけど、それより先に、天から迫力の怒鳴り声が降ってきて……
【フッシャーーーーー!! おはぎぃぃぃぃ!!】
ひぃ!
誰の声!?
さっきまで聞こえてた、男のヒトの声じゃない。
怖そうな女性の声で、どこかで聞いた事がある……と思っていたが、その疑問はおはぎの叫びで解明された。
『へにゃーーーっ! サ、サン!』
アイター!
この声サンかー!
サンは三毛の熟女猫。
面倒視の良いお母さん的存在だけど怒るとコワイのだ。
【おはぎっ! あんた何してんのよ! なにも言わずに家を出て、そのまま帰ってこないなんて! 私達がどれだけ心配したか分かってるの!? フッシャーーーーー!!】
アウチ……フッシャー2回目、めちゃ怒ってる。
ま、当然っちゃー当然か。
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