第六章 霊媒師OJT-2

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◆ 『貴子、おまえに土産があるんだぞ。ほれ、ユリ、お母さんもこっちこっち』 こっちが引く程のデレ顔で家族を集めるお父さん。 『持丸さんも是非ご一緒に』 70才のお父さんより8つ年上、78才の先代にはすこぶる礼儀正しく一礼するも、 『誠ぉ! テメェも食いやがれ! こっち来いやぁ!』 社長に対してはこんな感じ。 でもまだいい方よ? 僕にいたっては、 『岡村ぁ! テメェはケィキと紙皿持って来いぃ! みんなの分切り分けろや、馬鹿野郎!』 包丁も取り皿もフォークもないからって近所の100均までパシらされて(自腹で購入)、あげく馬鹿野郎呼ばわりって……ひどくないっすか? でもまぁいいんだ。 だってお父さん、ものすごく楽しそうだもの。 僕に馬鹿野郎と言いながらも顔は緩みきって声も優しい。 田所さんもユリちゃんもお母さんもひっきりなしに喋りながら声を上げて笑ってて、こちらもすごく楽しそう。 それにベベのイチゴケーキ! ここのケーキが食べられるんなら文句なんて言いません!
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