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「「きなこっ! 良い所に来たー!」」
さすがは夫婦。
パーフェクトなハモリっぷりで、きなこをキャリーに入れようと連係プレーが始まった。
だがしかし、きなこの中では ”キャリー = 病院” の図式があるもんだから、ガチの本気で逃げまくる。
その間にもおはぎはドンドコうるさいし、もうなにがなにやらド修羅場と化したのだ。
『へにゃー!!(ドコドコドコドコ!!)』
ポ現マシン(おはぎです)がリビングを、右回りで走ってる。
「ほにゃー!!」訳:どこも痛くないにゃー!
病院嫌いはリビングを左回りで走ってる。
このままいくと鉢合わせになりそうな、……と思っていたら案の定。
ぐるっと回ってテレビの前でコンバンハ!
『へにゃー!!』←ビックリしちゃって垂直に高く飛ぶおはぎ。
「ほんぎゃー!!」←もっとビックリ、耳ペタンで床に伏せたきなこ。
……
…………
あ……2匹とも固まった。
初代アイドルと9代目アイドルのご対面、ど、どうなる?
『お、おまいは誰だにゃ、』
ふわふわ毛皮をボワッとさせて、おずおずとおはぎが聞いた。
「ほ、ほにゃにゃ……!」訳:あんたこそ誰にゃ、
つややか毛皮を爆発させて、耳ペタンはそのままにきなこが聞いた。
質問に質問で答えるパターンだな。
『お、おはぎはおはぎだにゃ。トウとカアの子供だにゃ。おまい……おはぎが視えるの?』
あはは、おはぎは一人称が ”おはぎ” だからねぇ。
ややこしい自己紹介だ。
「ほにゃ? ほにゃにゃにゃにゃ」訳:視えるけど? んで、トウとカアの子供? じゃあ新しく来た子なの?
さすが霊力持ちの猫、視えるのね。
そんでもって、ま、きなこにしたってお前誰だと思うよね、でも少し良い感じ。
子供と聞いて、警戒心がほんのちょっぴり解けたっぽいぞ。
『おまいは視えるのか! うぬぬ……なんでにゃ……? それよかちがうにゃ、新しくないにゃ、古いにゃ』
おはぎは約30年前の初代だもん、そりゃ古いわ。
「ほにゃ? にゃにゃにゃ?」訳:えぇ? ウチには私しかいないけど?
あ……と、そうなんだけど、でもね。
それから2匹は中々前に進まない会話を延々と繰り返し、その間は当然音が鳴りやんだのだが……
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