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その日の晩から。
おはぎの【トウとカアに気づいてもらうにゃ祭り】が始まった。
コンちゃんのキラキラウロコで巨大化したまま、朝も昼も夜も、時間なんて関係なしにドンドコドンドコ、ひたすら騒ぎまくるのだ。
てかウロコの使い方。
コンちゃんは、
____これを使えばちょっとだけ変身出来るの、
____霊体をね、大きく視せる事が出来るんだ、
____もしも現世で悪い霊に捕まりそうになったら、
____大きくなってビックリさせて、その間に逃げればいいよ、
って、言ってたよねぇ。
使い方間違ってるから、違うから、そうじゃないから。
本来なら現世に着いて早々、おはぎを襲った悪い霊にこそ使うべきだったんだけど……ま、そんな余裕はなかったか、なかったよね、あんなん無理だわ、雷神号が来てくれて良かったー!
使い方は間違ってるけど、おはぎはこれを最大限利用した。
眠くなって寝ちゃう以外の起きてる間、父さん達にまとわりついてひたすら音を鳴らすのだ。
ドンドコドコドコ一生懸命、ココにいるよと伝える為に。
だが____
悲しいかな、おはぎの努力は一向に実のらなかった。
父さん達は音を聞くたび怖がって、最低限の食事とお風呂を済ませたら、2階に上がって布団をかぶって寝てしまう。
そうなると当然、おはぎも後を追いかけるのだか、巨大化した仮の霊体じゃ、うまく階段が上れない。
バランスを取りながら、ゆっくりゆっくり足を上げ、引きずるように上るんだけど……
『よいしょ、よいしょ、へにゃぁ……カラダが大きいから動きにくいにゃぁ、階段はむずかしいのにゃぁ』
と、僕からしたら鼻血が出るよなカワユさだけど、2階の部屋で音だけ聞いてる父さん達は……
ズズズ……ズズ……ズズズズズ……ズッ、ズッ……ズズズ……
と、不気味さマックス、ガチガクブルで泣きが入ってしまうのだ。
ああもう……なんてこった。
これはもう、すればするほど逆効果の平行線。
賭けても良い、このままじゃあ100年経っても気づかれないよ。
んでもってニンジン色のキラキラウロコ。
ちっこいおはぎを巨大化させちゃう不思議なアイテムなんだけど、視てるとどうやらこれ1枚で変化はきっかり一週間。
巨大な姿を保っていらいれるみたいなの。
最初の一週間、おはぎはただひたすらに騒がしかった。
次の一週間、なんとおはぎはテレビのリモコンをテーブルから落下させる事に成功!(壁や床を激しく叩いたその振動で落ちた)
すごいな、巨大な霊体に少し慣れてきたみたい。
とは言え階段は不得意みたいで、ズズズ……ズズズと引きずってるけど、それでもすごい進歩だよ。
変な所で感心しちゃう僕だけど、父さん達はいよいよ追い詰められていた。
連日の睡眠不足、それときなこも巨大なおはぎにびびってる。
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