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そして検索。
検索ワードは【足音】【家の中】【誰もいない】【どうすれば?】。
最初は手探り。
オバケだが幽霊だが、正体不明の謎現象をどこに相談していいか分からない。
まず調べたのは固い所でお寺と神社……なんだけど、書いてあるのは厄払いとかお炊き上げとか、そんなのばかり(そりゃそうだ)。
足音とかリモコン落下に対応はしていない。
それでも挫けず検索ワードを変えながら、延々リンクを踏んで飛んで、巡り巡って最終的に奇跡が起きた。
そう、”株式会社おくりび”、ウチの会社に辿り着いたのだ。
「ここなんか良さそう……」
父さんは次の日も仕事だというのに、夜遅くまでネットを閲覧。
おくりびのホームページ、依頼事例、口コミ……そういったのを熱心に読みふけっていたのだが、時計の針が0時を過ぎた頃、たっぷり眠ってHPフル満タンな、おはぎがドチドチやってきて、ドンドコドンドコやりだしたのだ。
ビックゥ!!
久しぶりに音を聞いた父さんは、身体を震わせキョロキョロしたが、すぐに顔を引き締めて、パソコン画面に目線を戻した。
……
…………
次の日。
ほぼほぼ徹夜の父さんは、ウチの会社のホームページを隅から隅まで読みつくしていた。
そしてかすかに頷くと、朝一番で長文の相談メールを送ったのだ。
返事は早かった。
送信したのは朝の6時30分、返事が来たのはそれから僅か1時間後の事だった。
始業時間前に返事が来たのは驚きだけど、たぶんこの日、ユリちゃんは早出をしてたのだろうと推測。
たぶんアレだよ、会社の結界。
早く来て、蔦に電気を流してたんだ。
メールの中身は親切丁寧。
専門用語はまったくなくて、素人にも分かりやすく、料金も濁す事なく明確に記してあった。
そのメールを父さんと母さんは顔を寄せ合い熟読した。
そして数回読み直したあと、どちらかともなく言ったんだ。
おくりびさんにお願いしてみようか……と。
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