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ユリちゃんのメールを読んで、おくりびに依頼すると決めた、……のだが、ここで更なる奇跡が起きた。
父さん達は、ウチにいるどの手練れ霊媒師よりも、ホームページの霊媒師紹介欄で見た【猫好きエイミー】を指名したのだ(まさかその ”エイミー” が自分達の息子だなんて夢にも思わず……なんだけどね)。
いろいろアレではあるけれど(アレってなんだ?)、霊媒師を依頼した事で、2人は、特に母さんは気持ちが少し楽になり、おはぎのドンドコウルサイ音も、あと少しの辛抱だと耐えていた。
ちなみに父さんは、改めて音を聞いて、”気のせいじゃなかったよ!” と、謎現象を再確認したみたい。
てか、”めぐちゃん超ラブ” な、あの調子じゃあ、たとえ音が聞こえなくても、霊媒師を呼んだだろうけどね。
一方おはぎはというと。
『へにゃぁ……音は聞こえてるみたいなんだけど、おはぎには気づいてくれないにゃ……らいちゃん……どうしたら良い……?』
現世にはいない雷神号に、おはぎは弱気に質問するも、答える霊は誰もいない。
あとどのくらい現世にいられるのだろう?
いつまでいられるか、帰る時はどうしたらいいのか、それはなんにも聞いていない。
もしかしたら、ある日突然 ”迎えに来たよ” と、雷神号が虹の国に帰ったみたいに、七色の風が吹くのかも……と、おはぎは気が気ではなかった。
今は帰りたくない。
だってまだ気づいてもらってないもの。
おはぎのコトを覚えているのか聞いていないし、大好きだって言われてないし、あと、出来る事なら抱っこやナデナデをしてほしい、思いっきり甘やかしてほしいのだ。
それから……
『あの ”きなこ” とかいう猫。あの子もトウとカアの子供だったんだ。おはぎより大きいから、新しいお姉ちゃんなんだにゃ。仲良くしたいにゃ、毛繕いしてあげたいにゃ……なのに……怖がって逃げられちゃう、』
巨大な霊体をくの字に曲げて、おはぎはズーンと落ち込んでいた。
そうだよね、おはぎは優しい仔だもの。
きなこを怖がらせるつもりはないのだ。
ただちょっと(かなり?)変化のおはぎが巨大すぎて、もともとビビリのきなこ姫は、怖がって逃げ出すようになってしまった。
無理もないよ、僕だって初めて視た時、びびったもん。
誤解が解けて仲良くなれたら良いんだけどな。
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