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さて、どうしたもんか……と考えていたのだが、このあと僕は、面白いモノというか、レアなモノというか、とにかくビックリするモノを視る事になるのだ。
それがなにかというと……
「ほにゃにゃ!?(耳ピクピク)……ほにゃ……ほにゃ……ほんにゃー!!」
2階からきなこが下に降りてきて、リビングにいる母さんにまとわりついた。
「あらぁ、きなこ起きたのねぇ。だけどちょっと早いんじゃない? いつもならまだ寝てるのに……なにかあったの? また変な音がした? ……その割には怯えてないわねぇ。なんだか嬉しそう。きなこがゴキゲンだとカアも嬉しいわぁ、……(ピコーン!)もしかして……誰か来たのかしら、霊媒師さん? でもこの喜びようは、違うわね……これはもしかして……!」
カワユイきなこにデレデレし、だが途中、なにかに閃いた母さんは、スクっと立って玄関へと向かった。
その間きなこはニャーニャーと鳴きっぱなしで、立てた尻尾をプルプルと震わせている。
そんなきなこをひと撫でし、玄関でサンダルを引っかけた母さんは、そのままガチャリとドアを開けた。
開けたドアの向こう側。
そこには、
「あ……、」
スマホ片手に間抜けな声でこちらを見てる、数時間前の ”僕” がいた。
口をポカンと開けたまま、黙ってその場に立ち尽くしているのだが……
「あら、やっぱり英海だったのね! ウチの中できなこが二ャー二ャー騒ぎ出したからもしかして……って思ったのよ。あんた急にどうしたの? 連絡もしないで帰ってくるなんて珍しいわね。まぁいいわ。お腹空いてない? 入りなさい。何かつくってあげるわよ」
母さんは嬉しそうにそう言った。
そして、過去の ”僕” は、たっぷり時間をかけて、深呼吸を1回、2回した後に、
「母さん、僕…………、ああ、うん。いいや、後で話す。先に何か食べさせて」
言いながら、家の中に入ってきたのだった。
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