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うわ、なんだこれ。
僕がいる、霊視で視ている過去の世界に僕がいる。
浮かない顔してモグモグモグモグ、野菜たっぷり素麺を一心不乱で食べているよ。
おはぎの霊視で一周回って今ココで、そこに僕も登場だ。
途中から関わってるから、出てきたっておかしくないけど、だけどやっぱりすこぶる違和感。
や、ちょ、ヘンな感じ、めちゃくちゃヘンな感じぃ!
……
…………
長い霊視に少し疲れてちょっぴり休憩。
おはぎは2階で寝てるから(父さん達の部屋でスヤスヤしてる、きなこは僕の部屋)、リビングで過去の自分を視てたんだ。
僕と母さんのイマイチ噛み合わない会話とか、帰ってきた父さんとみんなでゴハンを食べるトコとか、ただひたすらに視てたんだけど……
これって、霊視って、飛ばして視たりは出来ないのかな?
動画みたいに再生バーを進めたり戻したり、そんなん出来たら超便利だと思うんだけど、その辺りが分からない。
なんてったって僕はビギナー、霊視は今日が初めてなのだ。
これも今度、先代に聞いてみよう。
なんてコトを考えてると……
ギシィ……ツ、ギシ……ギシ……ギシィ……
あ、来た……!
リビングドアの向こうから、軋む音が聞こえてきた。
過去の僕はそれに気が付き鳥肌を立てている。
探るようにドアを見つめて、眉間にシワを寄せている。
音はだんだん大きくなって、
ギシィ……ギシィ……ズズ……ガンッ! ズズズズズ……ギシ……
ズズ……ギシィ……ガンッ! ズズズ……ギシィ……ガンッ!
な、なんかすごいな。
ここまでスゴイ音だったっけ?
ド派手な音が鳴りやまないよ。
今の僕は音の主を知っているから怖くはない。
怖くはないけど心配になってきた。
ちょっと様子を視に行くか。
リビングドアをすり抜けて、階段を下からヒョイと覗いてみれば……そこには巨大な黒い塊。
おはぎは悪戦苦闘でアセアセしながら、1段1段降りてくるトコだった。
『へ、へにゃにゃ……! ぶ、ぶつかるにゃ、もうチョットこっちに寄って……(ギシィ)にゃにゃ、イイ感じ、そしたら今度はこっち側に……(ズズズ……ガンッ!)イテッ! へ、へにゃぁ、オシリをぶつけたにゃ、イタイにゃ、うぅ……でも頑張る、ゴハンを食べるお部屋に行くんだにゃ、(ガンッ!)イッターイ!』
ああ……すっごい頑張ってる……!
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