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おはぎと大福を先回りして、父さん達の部屋で僕は待機した。
読みがハズレていなければ、間もなく2匹はココにくるはず。
たぶん壁をすり抜けて、ババーンとやってくるはずなんだ。
……
…………
………………ババーン!
来た!
壁をスルリとすり抜けて、2匹はそのまま床の上に倒れ込む。
『にゃばばばばばばばばばb! カベ! カベ! 今! カベの中を通ったにゃーーー!』
大きな霊体をジタバタさせて、壁の中をすり抜けたのだと、おはぎは大いに慌てていた、……が、や、待って、今更ソレを言う?
ドアとか普通にすり抜けてたじゃん、父さん達にもさわれなかったじゃん。
だったら壁も同じでしょうよ、すり抜け上等、どこでも出入りできるでしょうよ。
もしかして、壁はダメだと思っていたのかな? かな?
なんで? ドアに比べて厚みがあるから?
それともただの思い込み?
なんにしたってコレで分かった。
だからおはぎは無理をしてでも階段を使っていたのか。
『し、知らなかったにゃ、壁、通れるんだ……壁にぶつかったらそのまま中に入っちゃったんだにゃ、こんなコトなら階段はつかわなくても良かったんだにゃ、……それより! 小雪! 小雪は!? 小雪はどこにいったの!?』
巨大なおはぎは上半身をムクリと起こしてキョロキョロしてる。
小雪こと、大福を探しているのだ。
いないいないと騒いでいるけど……おはぎさん、お探しの小雪ちゃんならアナタのオシリでつぶれてますよ。
『……おはぎ、重たい、どいて、』
くぐもったお姫の声が、おはぎの下から聞こえてきた。
聞いたおはぎはますますキョロキョロ、左右上下と目線を飛ばし、そしてとうとう視つけたの。
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