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頑張ったわね、そう言って巨大なおはぎをザーリザーリと毛繕いする大福姫。
ちょ、ウソでしょ?
なんでアレで分かるのよ、事情説明、めちゃくちゃカタコトだったのにっ!
毛繕いが気持ち良くってウットリおめめを閉じてるおはぎ。
喉の奥からゴロゴロと低い音を響かせる。
てかさ、猫のゴロゴロ音って、型の古いストーブの(マッチで火を着けるヤツね)起動音に似ていない?
そんな事をニヤニヤしながら考えてると、片目を薄く開けたおはぎがお姫に向かって言ったんだ。
『小雪、よくおはぎがおはぎだって分かったね。コンちゃんのウロコで変身したのに、こんなに大きくなったのに』
『分かるわよ。だって姿が変わっても、匂いはおはぎのままだもの』
『そっか、えへへ、』
『コンちゃんのウロコを使ったのもすぐに分かったわ。前にトラの仔三兄弟が使ってたのを視たコトがあるから』
『へにゃー、兄ちゃん達も大きくなったんだぁ。だけどスゴイよね、コンちゃんのウロコ! なんで変身出来るんだろ、不思議にゃー、オモシロイにゃー、でも動きにくいにゃー』
『それだけ大きくなれば慣れるまで動きにくいでしょうねぇ。それと、ウロコで変化が出来るのは、コンちゃんの飼い主が手品師だからじゃないかしら。あの子、不思議なアイテムいっぱい持ってるわよ』
『テジナシ? テジナシ……んー、よくわかんないけどカッコイイにゃ!』
へー!
なるほどねぇ、コンちゃんのお父さんは手品師さんなんだ。
手品のタネで仔猫を巨大化させるなんて、スーパーミラクルイリュージョン!
てか、他にも持ってる不思議アイテム。
僕はそれも気になっちゃうよ。
おはぎはすこぶるゴキゲンだった。
小雪小雪と大きな霊体でまとわりついて離れようとしない。
ん……無理もないか。
だって、慣れない現世でイチニャンきりで、ずっとずっと頑張ってきたのだ。
寂しかっただろう、心細かっただろう、そしてもどかしかっただろう、……そんな苦しい状況で、大好きな小雪ちゃんに会えたんだ。
そりゃあ嬉しくなっちゃうよ。
それからおはぎは次から次へとひっきりなしに喋りだし、話したいコト、聞きたいコト、それらがいっぱいあるもんだから、さっきみたいなカタコト単語を量産してた。
おはぎは主に質問ばっかしてたんだけど、それに対する大福の回答集が素晴らしかったんだ。
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