第二十二章 霊媒師 岡村英海

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『あのね、不思議なんだにゃ。おはぎね、ドアも壁もすり抜けるのに床はすり抜けないんだにゃ、床に立てるんだにゃ、なんで?』 大福アンサー→幽霊の霊体(からだ)は地面に接地していません、ほんの少し浮いています。それのため地面や床に立っているような気になります。もちろん、自分の意思で床をすり抜ける事は可能です。(こんな感じの内容をおはぎ用に噛み砕いて話してる) えぇ!? そうだったんだ! 僕、ぜんぜん知らなかったよ! 今回分からない事がいっぱいあるから、後で先代に聞こうと思ってたのに……まさか先に答えが聞けるとは! お姫、天才すぎるー! 『浮いてるの……?(ジロジロジロ)ほ、ホントだにゃ! よーく視たら小雪、浮いてるにゃ!(ガガーン!)し、知らなかったにゃ……じゃあじゃあ、おはぎはユーレーネコなのになんで音が出せるの? トウもカアもおはぎのコトは視えないけど、音は聞こえるみたいなんだにゃ』 大福アンサー→基本として特殊な霊力(ちから)が無い限り、霊体が現世の物質に干渉する事は不可能です。しかし、霊の霊体(からだ)は電気の集合体。一定以上の電気を手などに溜めて一気に叩けは音が出ます。特殊な霊力(ちから)が無くても感情の昂り等で電気が溜まり、誰でも音を出す事が出来ます、……が、注意も必要です。音を出すための電気、これは自分の霊体(からだ)を構築する電気を削って捻出しています。回数を重ねすぎれば当然霊体(からだ)に負担がかかります。 『……へにゃ……お、おはぎ、いっぱい音鳴らしちゃったにゃ……大丈夫かな、お……おはぎ、死んじゃうのかな……?』 大福アンサー→すでに死亡済なので心配いりません。また、おはぎの場合、コンちゃんのウロコ効果で巨大化している為、多少、いや、盛大に電気を消費しても問題は無いと思われます。 『よ、良かったにゃ……安心したにゃ……コンちゃん、ありがと』 ほっと胸を撫でおろしたのは僕も同じだ。 巨大化した事で、おはぎ本体以外に大きな電気を得ていたのだ。 本当にコンちゃんには感謝しかない。 いつかお礼にゆで卵をたくさんお届けしたいと思う。
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