第二十二章 霊媒師 岡村英海

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質問をもう2つ3つ。 それらも華麗に回答しつつ、大福はお得な三尾をブンと振り上げ、おはぎのオシリをペシッと叩く、……と、巨大化変化(へんげ)が解除され、元の可愛い仔猫に戻った。 『もう音を鳴らさなくていいし巨大化しなくていいの。あとは英海(ひでみ)がなんとかしてくれるから、安心しなさい』 や、やん……! 大福ったら僕のコト、名前で読んでるよ! どうしよ、トキメク、めっちゃトキメクんですが……! 嬉しいやら照れちゃうやらで、とてもじゃないけど人様には見せられない、そんな顔でニラニラしてると、おはぎは小首を傾げこう言ったんだ。 『ヒデミ? ヒデミって小雪と一緒にいた弱そうなヤツのコトかにょ? トウとカアの子供だって言ってたけどウソだにゃ、ヒデミは赤ちゃんだにゃ、おはぎはだまされないにゃ!』 プッスー!←鼻息の音 ああ……も、カワイイ……なんなの? この可愛い猫は……おはぎの読みは大外れ、僕が ”ヒデミ” で間違いないのに、鼻息荒く、騙されないぞといばってる。 そんなおはぎに大福は、コソッとププッと笑った後に、 『おはぎがこの家に住んでいたのはうんと前のコトでしょう? あの頃は英海(ひでみ)も赤ん坊だったかもしれないけど、時間が経って大きくなったの。さっきのあの子が岡村英海(ひでみ)、おはぎのお兄ちゃんよ』 ああ……も、照れちゃう……だってさ、お姫ったら僕のコト名前呼びだし ”あの子” とか言っちゃってるし、こんなんもう萌え転がるわ。
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