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____ヒデミはおはぎのお兄ちゃん、
そう言われても、”ハイそうですか” とすぐには納得いかないみたいで、怪訝そうな顔をする。
『へにゃ……アイツ、本当にヒデミなのかにょ? 昔より大きくなったって小雪は言うけど……へにゃははは、いくらなんでも大きくなりすぎだにゃ。そんなの信じられにゃ…………(ハッ! ピコーン!)へ、へにゃ! も、もしかして、ヒデミもコンちゃんのウロコを使ったの!?』
んぷっ!
そう来たか、笑わせないで、使ってないし。
チガウよ、あれから28年間。
良く食べて良く寝ていたら勝手に大きくなったんだ。
へにゃ?へにゃ?と小首を傾げる可愛い仔猫は、いまだ理解が追いつかない。
だがこれは仕方がないと思うんだ。
おはぎの寿命はたったの2年、あっという間に虹の国へと旅立った。
そう……あまりにも短くて、ヒトは、ネコは、イキモノは、時を経て成長するという過程を見る機会がなかったのだ。
岡村家におはぎが来た時、両親はすでに大きかったし(そりゃそうだ)、僕は生まれて間もない赤ん坊。
そこから2年で多少は大きくなったけど、2才児の僕と30才児の僕とじゃあ……ねぇ、おはぎにしたらぜんぜん違うイキモノだ。
『ぷぷっ! チガウわよ、ウロコは使ってないわ。間違いなくあの子が英海。そうだ、あとで匂いを嗅いでみたら? そうすれば分かると思うけど』
大福は両親のベッドにコロンと寝そべり、同じく隣で寝そべっているおはぎの額をザリザリ舐めた。
僕は当然、うっとりゴロゴロ、仔猫は喉を鳴らすものだと思ってた。
だがしかし、おはぎはちょっぴり不満げにこんなコトを言い出したんだ。
『そうだ、思い出したんだにゃ! 小雪はさっき、おはぎのコトすぐに分かったって言ってたにゃ、なのになんで知らんぷりしたの?(ジトー……)』
あ、そういやそうだ。
あの時姫は、壁の中に隠れてしまってコッソリ顔だけ出していたんだ。
知ってるなら、仲良しなら、声をかければ良かったのに。
なんだって知らんぷりをしたんだろ?
その割に2匹になったら普通に話すし、なにか事情があるのかな。
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