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それから…………
『へにゃーん!』←おはぎ
『ほにゃーん!』←きなこ
『うっなーん!』←大福
ドタドタドタドタドタドターーー!!
「こらぁ~待て待て~キャッキャ」←父さん
「つかまえちゃうぞ~ウフフ」←母さん
バタバタバタバタバタバターーー!!
と、追いかけっこで遊んでみたり(きなこ以外は姫の尻尾で繋がれてるから範囲はすこぶる狭いけど)、
「サンニャンともコッチにいらっしゃーい! カ ア が ”ちゅるー” をあげますよー! トウでも英海でもない、カ ア が、あげるんだからねー!」
猫達の大好物、”ちゅるー” をあげるのは他の誰でもない、カアなのだと好感度を上げる為なら手段を選ばない母さんに、僕と父さんが ”ぐぬぬ” と唸ったり。
やってるコトは正直言ってくだらない……んだけど、この時間が楽しくて、心がウキウキバウンドしちゃって、ヒトも、ネコも、はしゃいで笑って遊びまくって、3日間が光の速さで過ぎていく____
____それは突然だった。
トウとカアとサビ猫と。
再会を果たしてから3日目の夜。
この時、僕らはリビングに集まっていた。
僕が作ったゴハンを食べ終え、人はお茶、猫はお水と、ゆっくりまったり食後の休憩。
おはぎは目を輝かせていた。
ちょっとしたらまた遊ぶんだ、今夜はみんなで何をしよう。
おいかけっこも楽しいし、猫じゃらしも面白い、おやつの ”ちゅるー” も食べたいし、あたまに ”ぶちゅー ” もしてほしい。
あはは、まったくもって仔猫が一番元気だな。
自転車サイズの大福に、みんな仲良くもたれかかって休んでるのに、おはぎはだけは ”いつでも遊べるにゃ!” と張り切ってるんだから。
あーもーサイコーだー。
姫の尻尾と家族の愛で繋がって、人も猫も生者も死者も、関係なしに寄り添ってるの。
嬉しいな、幸せだな、出来る事ならこのままずっと、一緒にいれたらいいのにな……なんて、思った時だった。
僕の鼻にふわりと何かが降ってきた。
なんだ……?
何の気なしに鼻に手をやり、その ”何か” を取ってみる。
指先にくっついたそれは……
「花……びら?」
それは桜の花弁によく似てた、……が、色は青。
空よりも少し濃くて、良い匂いもする。
『へにゃ……?』
小さな猫が、僕の隣で小さく鳴いた。
視れば額に花弁をつけている……色は赤、リンゴみたいなキレイな色だ。
これって……
「あらぁ! あらあらあらあら! どこから入ってきたのかしら! ステキだわぁ!」
今度は母さんだ。
両手のひらを上に向け、天井から数を増やして降ってくる、色とりどりの花弁をウットリしながら視上げてる。
フラワーシャワーみたい、そうため息をつきながら、こうも続けた。
「本当にキレイだねぇ……幻想的だわぁ……色んな色の花弁が降ってくる。赤……橙、……黄色に緑、青も藍も……紫色もある……なんの花かしら? わからないけど、この色はまるで……虹みたい」
確かにそうだ。
数えてみればぜんぶで七色、まさに虹色。
この花弁は視た事がある、……いや、実際に目にしたのは今が初めてだけど、過去の霊視でこれを視た。
これってアレだ……虹の国が雷神号を迎えに来た時の……花吹雪ではないだろうか。
それはつまり、
とうとう、
おはぎの迎えが来てしまったんだ。
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