第二十二章 霊媒師 岡村英海

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『へっにゃーーーーーん!!』←訳:すごいにゃーーーーーん!! ピカーッ!(キラキラキラキラ) 大喜びのおはぎの為に。 父さんがさっそくタオルを広げてあげると秒で乗っかり転がり出して(高速回転)、でもってその後、ネズミのオモチャをガブガブしだす(エアーだけど)。 母さんがブラシで背中を擦ってあげると(これもエアー)、うっとりゴロゴロご満悦だ。 あはは、おはぎのグッズに本ニャンすっかり大興奮だよ。 ただし、スタンプにはあんまり興味がないっぽいのと(ま、これは人が喜ぶアイテムだよね)、爪切りはキライみたいでザッザッザッと床でお砂を掻いていた。 『へにゃあ! へにゃにゃにゃあん!』←訳:ぜんぶ! これぜんぶ覚えてるにゃ! 嬉しすぎて黒目が真ん丸、なんなら今から手拭いかぶって踊っちゃう! そのくらいのハイテンションだ。 そんなおはぎに2人はニコニコ、順番で可愛い頭にぶちゅーをした後、目を細めてこう言ったんだ。 「トウもカアも、おはぎの事が大好きよ。あんたがウチの子になってくれて、どんなに嬉しかったか。一緒に暮らせた毎日が幸せで、夢のような2年間だった。あんたの事、今まで1度も忘れた事はないわ。この30年、毎日毎日思い出すの。あんたの寝顔も、あんたのイタズラも、ゴハンを食べる所も、お水を飲む所も、ぜんぶ思い出す。ぜんぶぜんぶ可愛いの。おはぎは私達の大事な子供。ああ、おはぎ……私達に会いに来てくれてありがとね、すぐに気づいてやれなくてごめんね、……おはぎ、おはぎ……心から愛してるわ」
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