第六章 霊媒師OJT-2

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『ユリ……ママねユリに逢えて嬉しかった。あんなに小さかったユリが、こんなに大きくなって、立派になって、優しくて良い子に育ってくれて、ママね、本当に嬉しい。ねぇ、ユリ、ママの娘に生まれてくれてありがとう。ママね、たぶんユリに逢う為に生まれてきたんじゃないかなぁって思うよ。ユリと過ごした7年間、いろいろあったけど、不甲斐ない親でユリに迷惑かけちゃったけど、ママにとっては本当に幸せな7年間だった。もう二度と逢えないと思ってたのに、今日こうして最後に逢えて、家族みんなで楽しい時間を過ごす事ができて、ママ、本当に嬉しかった。ユリ、本当にありがとう。心から愛してる。ユリ、幸せになってね。それから……この先、好きな人ができて結婚するかもしれないけど、その時はお爺ちゃんみたいな人か、岡村さんみたいな人を選んでね』 えっ!? 僕みたいな人!? や、ちょっと、田所さん? 冗談でもそういう事言っちゃダメですって。 僕、悪鬼にミンチにされちゃいますよ! って……あれ? 今のはお父さんにも聞こえてたはずなのに、お父さんは黙ったまんまだ。 目から放たれるレーザービームで僕を焼き尽くしてもおかしくない発言だったのに。 苦虫潰した顔はしてるけど…… 「ママ、結婚なんて気が早いよ」 えへへと笑うユリちゃんに、お父さんはヘドバンかってくらい頭を縦に振っている。 「でもね、もしもこの先、私が結婚したら。その時は……今度はママが私の子供に生まれ変わってよ。そしたらまた一緒にいられる」 田所さんは一瞬、時が止まったようにユリちゃんを見詰め、やがてくしゃくしゃに笑い、泣きながら『ありがとう』と呟いた。
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