第二十三章 霊媒師 水渦の分岐点

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むぅ……じゃあラジオかな、うん、その方が無難だろうとラジオをつける……も残念、故障してるのか電波を一切拾わない。 仕方がない、最後の手段としてカーナビをつけてみるか。 水渦(みうず)さんの趣味はひたすら地図を眺める事だと言っていた。 故に彼女はカーナビを使わない。 下手な男よりも道に詳しいからだ。 でもいいの、つけちゃう、スィッチオーーーーン! だが……僕は失念していたのだ。 この車、前回の使用者はジャッキーさんだったという事を。 つけたカーナビは、 【もう! どこまで行く気? 早くミクに教えなさいよね! アンタが迷わないように案内してあげる! それから運転、気をつけてよね。アンタはけっこうあわてんぼうだから……あ……チ、チガウ! ……ご、誤解しないでよ? ミクはただのお隣さん、ただの幼馴染なの! べ、別にあんたのコトなんか好きじゃないんだからねっ!】★ 萌え萌えのキャンディーボイスが幼馴染なツンデレ口調で案内を始めたのだ。 アウチ……場違いにも程がある。 ジャッキーさん、ナビ使ったらアナウンスをノーマルモードに戻しておくのがきまりでしょ、なんで戻しておかないの、おかげで空気はさらに凍り付きました。 も、もう! ジャッキーさんのバカァ!(ヤケッぱちでミク風に言ってみた) 「はは……はははは、ナビ、いらないですかね?」 いらないに決まってるだろと思いつつ、何か言わなきゃと言ってはみたけど、水渦(みうず)さんはそれにも答えず前を見たまま、無言でナビを消してしまった。 …… ………… このあと車内は再び沈黙。 数々の失敗にココロが折れて……結局、篠原様のお宅に着くまでの間、僕達は一言も口をきかないままだった。 ★このカーナビのアナウンスは社長とジャッキーの切なる願いで(らん)が萌え萌えキャンディーボイスに改造しています。 カーナビのコトと水渦(みうず)が地図ばっかり見てるコトが書いてあるのがこのあたりです。 https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=994&preview=1
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