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むぅ……じゃあラジオかな、うん、その方が無難だろうとラジオをつける……も残念、故障してるのか電波を一切拾わない。
仕方がない、最後の手段としてカーナビをつけてみるか。
水渦さんの趣味はひたすら地図を眺める事だと言っていた。
故に彼女はカーナビを使わない。
下手な男よりも道に詳しいからだ。
でもいいの、つけちゃう、スィッチオーーーーン!
だが……僕は失念していたのだ。
この車、前回の使用者はジャッキーさんだったという事を。
つけたカーナビは、
【もう! どこまで行く気? 早くミクに教えなさいよね! アンタが迷わないように案内してあげる! それから運転、気をつけてよね。アンタはけっこうあわてんぼうだから……あ……チ、チガウ! ……ご、誤解しないでよ? ミクはただのお隣さん、ただの幼馴染なの! べ、別にあんたのコトなんか好きじゃないんだからねっ!】★
萌え萌えのキャンディーボイスが幼馴染なツンデレ口調で案内を始めたのだ。
アウチ……場違いにも程がある。
ジャッキーさん、ナビ使ったらアナウンスをノーマルモードに戻しておくのがきまりでしょ、なんで戻しておかないの、おかげで空気はさらに凍り付きました。
も、もう! ジャッキーさんのバカァ!(ヤケッぱちでミク風に言ってみた)
「はは……はははは、ナビ、いらないですかね?」
いらないに決まってるだろと思いつつ、何か言わなきゃと言ってはみたけど、水渦さんはそれにも答えず前を見たまま、無言でナビを消してしまった。
……
…………
このあと車内は再び沈黙。
数々の失敗にココロが折れて……結局、篠原様のお宅に着くまでの間、僕達は一言も口をきかないままだった。
★このカーナビのアナウンスは社長とジャッキーの切なる願いで嵐が萌え萌えキャンディーボイスに改造しています。
カーナビのコトと水渦が地図ばっかり見てるコトが書いてあるのがこのあたりです。
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=994&preview=1
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