第二十三章 霊媒師 水渦の分岐点

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と、いうコトで。 「それじゃあ開けますね、」 短く言って白木のドアに手をかけた。 水渦(みうず)さんは黙ったままで、開くドアを見つめてる。 その指先は弾ける電気が花火のように光ってて、いつでも撃てると無言で語る。 ドアはゆっくり枠から離れ、キッチンが見えてきた。 目線を下げれば砕けたガラスが床一面に広がって、生者とって危険なゾーンになっている。 ドアが更に開いていくと、危険なガラスの絨毯に素足で立つ男の姿が現れた。 途端ゾクリと背筋が冷えて、恐る恐る目線を上げれば、外から視た異形の(もの)に良く似てた。 飛び出た目、耳まで裂ける大きな口、白目と黒目が反転してて、目が合えば、それだけで身体の力が抜けてくる。 異形を前に、水渦(みうず)さんはいきなり霊矢を撃とうとしたが、その瞬間、僕はとっさに手を引いた。 「待って! いきなり撃ったらダメだ! まずは話を聞いてから、」 そう、もしかしたら、異形の(もの)にも言い分があるかもしれない。 聞いてからでも遅くはない。 そう思い、文句を垂れる水渦(みうず)さんを宥めつつ、異形の男に向き直る……と、そこでガッツリ目が合った。 異形の(もの)は、僕を視て、水渦(みうず)さんを視た。 ここまで何も喋らない。 ただただ僕らを順番に視てるんだ。 まただ……僕を視て、水渦(みうず)さんを視て……、きっとまた僕に戻ると思っていたら今度は違う。 目線が下にどんどん下がり、異形の(もの)は、僕と水渦(みうず)さんの繋いだ手を、食い入るようにジッと視て……
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