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『あぁ……』と頭を抱える中沢さん。
残る3人、庄司さんと中島さん、それから伊藤さんも、おんなじように頭を抱えてこう言った。
『本当に……とんでもない間違いをしてしまった。あの人をシノハラだと思い込んで脅かしたんだ。ガラスを割ったり、足音をドンドンさせたり、首を絞める真似事まで……まさか無関係な人だったなんて……ああ……申し訳ない』
『目がなぁ……だんだんおかしくなってきて、視えるけど、球体みたいな歪んだ視界になっちゃって、もっとちゃんと確認すれば良かった……』
『私達……きっといい気になってたんだ。人違いとも気づかずにギャフンと言わすんだって息巻いてた……ひ、酷い事を……取り返しのつかない事をしてしまった……だから……だから……私達……成仏なんか出来ない、罰っせられるんだ……!』
ダバーーーーー!
5人は揃って涙を流し、何度も何度も謝罪の言葉を口にする。
ああ……そんなに泣いちゃって、そんなにあやまっちゃって……こんなの視たら放っとけないよ。
なんとかしたい、どうにか成仏させてあげたい。
だけど僕の霊力じゃ無理なんだ。
丸投げなんてする気はないけど、でも……水渦さんの霊力無しでは成仏が叶わない。
____今回岡村さんに如何なる事があったとしても、
____私は一切助けません、
今朝から何度も言われ続けた、拒絶の言葉が頭の中でこだまする。
だけど……僕自身のスキル不足とお姫がココにいない今、頼れるのはこの人だけだ。
「……水渦さん、お願いがあります」
彼女の両手を掴んだままの、この手に少し力を込めて僕は頭を下げたんだ。
「勝手は重々承知です、僕のスキルが足らない事も分かってます。だけど今回だけ、どうか助けてください。霊達の為に、道を呼んでほしいんです」
辛辣な断り文句、少なくとも1ダースは食らうだろうと覚悟をしながら返事を待った。
たぶんこの後はため息をつく、そして薄っすら眉間にシワを寄せるはずだ。
「…………はぁぁぁ……、」
予想の通り、水渦さんはため息をついた。
眉間にシワも寄せるはず……と、額を見たが少しもシワは寄ってない。
あれ……? と思うも、首を傾げるそれより先に、彼女は僕を見上げると、
「貴方、色々と厄介な人ですね。この現場では ”如何なる事があったとしても、決して貴方を助けません” と言ったのに、その私に頼るだなんて」
そう言って、再びため息をついた。
「はは……厄介でごめんなさい。”助けない” って散々言われたのに結局頼ってる、丸投げって言われても言い返せないや」
カッコ悪いなぁ、恥ずかしくて顔から火が出そうだよ。
それでも、お願いするしかないのだ。
今の僕に足りないスキル、これは明日から気合いを入れて身に付ける。
頼りっぱなしで終わりにはしないから、だからどうか霊達の為に、僕の願いを聞いてほしい。
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