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中から現れたのは……あ、あ、あ、悪鬼だぁ!
脇を締め、愛機のチェーンソーを自身の腹筋に押し当て、唸る刃先を僕に向けている!
「お、お、お、お、お、おと、お父さん!いつお戻りに……?昨日向こうに逝ったばかりでしたよねぇ?はは……あはははは……おかえりなさい、なんちゃって。てゆーか、チェーンソーの電源オフにしませんか?」
悪鬼はギンッと鋭く赤い眼で僕を睨む!
こ、怖いぃぃぃぃ!!
ユ、ユリちゃん!ユリちゃんはどこ?この悪鬼を止める事ができるのは世界中探してもキミ1人しかいないんだ!お願い!助けて!今すぐ戻って!
『岡村ぁ、テメ、ちゃんとユリを守ってんだろうな?あぁ!?』
「はい!もちろん!昨日は社長と先代とユリちゃんの4人で、電気!照明!買いに行ったし、ごはんも一緒に食べたんですよ!安心してください!これからも守ります!だからお願い!成仏して!」
『いいか?岡村馬鹿野郎!ユリにかすり傷1つでもつけてみろ、そん時ぁ、テメェの血飛沫でコイツを飾りたててやるからなぁ!』
コイツってなんか擬人化っぽく言ってるけど、その使い込まれて手入れの行き届いたチェーンソーの事ですよね?
あ!はい!そうですよね!わかります!
って、なにそれ!
チェーンソーの本体に赤いハートの宝石が埋め込まれてる!
ユリちゃんが持ってた魔法ステッキに付いてたヤツですか!?
前回そんなの付いてなかったよね!?
僕の凝視に気付いたお父さんはニタァと笑うとこう言った。
『これかぁ?この赤い石はな、最初は白い石だったんだ。それがなんでこんなに赤いかって?そらぁな、昔ユリにちょっかいを出す不届きな奴らがいてよ、そいつらの血を吸って吸って吸いまくってこんな色になったんだ。岡村ぁ、テメェの血で上塗りしたくねぇだろ?だったら命懸けでユリを守れ、わかったな!』
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