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それから、少しの時間がたった。
鳥の子は水渦さんにひっついたまま離れようとしない。
僕は……僕はさ、たくさん色々考えて、それで、やっと水渦さんに言うべき言葉が見つかったんだ。
それを今から言おうと思う。
「ねぇ、水渦さん。近いうち、お姉さまを探しませんか? 今のアナタにはお姉さまが必要だと思うんだ。それで、視つけたら……、会いに行きましょう。会ってあやまって、やり直すんだ。大丈夫、その時は僕も一緒に行きますから」
かけた言葉は短くて、言い終えれば沈黙がやってくる。
僕らが黙れば虫の声しか聞こえない。
聞いた彼女はノロノロと振り向いた。
目が合って、
泣き腫らしたその顔は……頼りなくて痛々しい。
いつもの水渦さんとはぜんぜん違う。
彼女はまるで……そう、まるで____
____酷い怪我を負った……子供のようだった。
第二十三章 霊媒師 水渦の分岐点____了
★明日から【第二十四章 霊媒師 水渦の選択】が始まります。
第二十三章の繁忙期を終えた2か月後の話となりますので、どうぞよろしくお願いします✨
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