第二十四章 霊媒師 水渦の選択

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えっと……告白? や、やだ……!  そうだったの!?  (らん)さん、僕のコトが好きだったの!?  ……って、チガウだろ。 僕、男だし、オッサンだし。 なによりも目が怯えているし(恋する顔ではない)。 「そばにいるのは全然オッケーだよ。てか、せっかく会えたんだもん。会社終わったら一緒にゴハン食べたいし。……というか、なんかあった? めっちゃガクブルしてるじゃない」 心配でそう聞いた。 もしかして……また僕に緊張してるのか? と、少しだけ思ったけどさ、そんな訳ない。 前に行ったN県の現場、キーマンさんと(らん)さんとのスリーマンセル。 あの日依頼、僕らは結構連絡を取り合ってるのだ。 そのおかげで随分と仲良くなった、なのに今更緊張はないだろう。 そもそも緊張してたら、そばにいてとは言わないか。 「あ、ご、ごめん。きゅ、急にこんなコト言ったらビックリしちゃうよね。あ、あのね、朝ね、会社に来たらね、……い、いたの、今日はいないと思ってたのに、……お、お、小野坂さんがいたの、」 「え、水渦(みうず)さんが? そっか、彼女も出社日だったのか……なるほど。それで(らん)さん、怖くなっちゃったんだ」 コクコクコクコクコクコク!! 放っておけば延々コクコクしちゃうくらい、(らん)さんは、怯えた顔で頷いて、僕のシャツをギュッと両手で掴んだの(ちょ、そんなに怖いんかい)。 「あ、朝に見かけて、ビックリしちゃって、こ、更衣室に隠れていたの。だ、だって、見つかったら、また、お、怒られちゃう……!」 子犬みたいなつぶらな瞳で、僕に助けを求めてる。 これガチですわ、水渦(みうず)さんにガチ怯え。 てか、こんなになるまで何言ったんだ、あの人は。 「大丈夫だよ。僕がずっとそばにいるから。だから安心して。あとね、ん……(らん)さんは信じられないかもだけど、ああ見えて水渦(みうず)さんは優しい人なんだ。言葉は確かにキツイけど、圧もあるけど、おへそカーブもすごいけど。でも、ホントだよ」 「…………そ、そうなの?」 信じられない、そんな顔で小首を傾げる(らん)さんに、僕はププッと笑てしまった。 (らん)さんも釣られて一緒に笑ってしまって、でも、その後すぐに固まったんだ。 その理由というのが……、 ガチャ、 「おはようございます」 能面の無表情、不機嫌全開、なんなら今から霊矢でも撃ちますか?____的な。 朝から圧をまき散らす、水渦(みうず)さんが出社したのだ。
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