第二十五章 霊媒師 女子会

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◆ 次の日____ PM5:18 ダッフルコートとマフラー、そして手袋とういう完全防備。 寒さもガチな12月の夕方に、僕は今H駅のロータリーに立っている。 ここに来たのは待ち合わせの為、なんと今夜はお食事会。 そう、昨日の現場で悪霊と戦闘中、ユリちゃんからゴハンのお誘いをもらった弥生さんが、僕も誘ってくれたのだ! 「ユリちゃんも誰か誘う言ってたし、エイミーちゃんなら来たってぜんぜんオッケーだよ! ユリちゃんがヤダって言うワケないし。だから一緒に行こうぜー、飲み会!」 と、僕としては ”お食事会”、弥生さんからしたら ”飲み会” となる訳だけど、どっちにしたって美味しいモノをたらふく食べて、みんなで楽しくお喋りするのは変わらない。 なもんでもう、すこぶる楽しみすぎちゃって、僕は昨日からウッキウキなのだ。 こういうの、久しぶりだなぁ。 春頃に、ジャッキーさんちで打ち上げをした時以来だ。 みんなで一緒にゴハンを食べて(ジャッキーさんの手料理!)、お喋りしたりゲームをしたりで大盛り上がりだったんだ。 この仕事は基本現場に直行直帰。 出社日もバラバラだから、中々みんなで休みが合うとかないのよね。 こうやって集まれるのは貴重な機会、今夜はいっぱい楽しまなくちゃ! それで……と。 待ち合わせは5時半だから、弥生さんもユリちゃんも、もう少しで来るはずだ。 弥生さん……今日は私服かなぁ。 仕事中の黒のワンピ、あれももちろんステキだけど私服も見てみたい。 どんな服を着るんだろ? 可愛い系かな? キレイ系かな?  やん! どっちにしたってドキドキしそう! 『うなぁ……?』 1人でニヤニヤしている僕に、大福が訝し気な顔をする……って、きゃー! フワモコ! ツヤツヤ! 真っ白お餅! プリティーでマーベラスゥゥゥッ! ヤバイわ、今夜のカワユさも余裕で宇宙で一番だわ、こんな可愛い子が存在するなんて奇跡としか言いようがない。 と、拳を握り、ひとり涙を堪えていると(尊すぎて泣けてくる)、 「エイミーちゃん、ダイジョブか……? 1人でニヤニヤしてるぞ」 訝し気なハスキーボイス、弥生さんが目の前に立っていた。 あ…………正解は、”キレイ系” でした……なんて。 頭の中で呟いて、言葉が出なくて、そして……見惚れてしまった。 真っ白なモヘヤのニットに、サンドベージュのダウンジャケット。 そのジャケットはショート丈で、襟のファーがフワフワしてる。 ダークグリーンの長いスカート、黒のブーツは高めの踵。 肩を越したセミロングな黒髪は、毛先を少し巻いているんだ。 キレイだな……黒のワンピじゃない姿、初めて見たよ。 9c0b2571-1548-419d-a949-a11c857194b0 8a10e126-32a7-4190-aeba-04f5fa64d120 2022/5/16 挿絵追加しました。
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