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パチ……パチ……パチ……
どのくらい瞬きをしていたのだろう。
数十分とも感じる長さだったが、本当は数分だったのかもしれない、が、僕と白猫の距離は相当縮まったかのように思える。
偽香箱座りの僕の数センチのところで白猫が、スンスン鼻を鳴らしながら僕の匂いを嗅いでいた。
最初は僕の身体からはみ出た左右の拳を、そして僕の鼻先を触れるか触れないかギリギリのラインで。
それからクルっと方向を変え、僕の脇腹をスンスンスンスン。
だがそこまでにとどまらず更に進んで後方にまわる……後方?
ま……まさか……!僕の予想が正しければ白猫が次に嗅ぐのは……!
スニーカーの裏にほんの少しの重みを感じた。
ああ、白猫はあのキュートな前足を靴の裏に乗せているのだろう。
肉球の感触まではわからないけどその重みに愛しさが込み上げる。
そして次の瞬間。
僕の尻を柔らかななにかがつついてきた。
それは不定期なリズムで、ジーンズ越しに、ぽむ、ぽむ、ぽむ、と触れてくる。
同時に後方から、フゴフゴフゴフゴという激しい鼻息音。
明らかに”スンスンスンスン”の上位互換と思われる” フゴフゴフゴフゴ”に僕はパァっと気持ちが華やいだ。
白猫か僕の尻の匂いを嗅いでいる!
これは完全に猫界のご挨拶!
最初に鼻や口周辺を嗅ぎ、次に脇腹、そして最後は尻の匂いを嗅ぐ!
やった……!やったぞ……!
白猫に尻の匂いを嗅いでもらえた……!
これなら白猫をモフモフに撫でまわす事ができるかもしれない!
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