第七章 霊媒師休日

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あぁ、それにしても思った通りの手触りだ。 フワフワでなめらかで高級なベルベットのような質感に思わず溜息が出てしまう。 僕を見上げるその瞳は黄金色に輝いて、世の宝石がただの石ころに見えてしまう程に美しい。 この柔らかさ!この肉球!この猫耳! そして、そして、 「ハックション!うー!寒っ!」 白猫を抱っこした僕の身体は全身鳥肌が立ちまくっていた。 この愛しき大きめの毛玉から、今この瞬間もリアルタイムで体温が奪われていく。 猫に触れた時に感じた氷のような冷たさ。 ひゃっ!と声を上げそうになったものの、ただでさえ突然の抱っこで驚かせているのに、大きな声で追いうちをかけたくなかったから必死に声を呑み込んだ。(それを上回るかわいらしさにやられてたのもあるけど) 猫ってさ平熱は39度くらいなはずだよね? デフォルトでホッカホカなはずだよね? なのにこの冷たさは、まるで氷か先代かっていうレベル。 うなぁん。 相変わらずゴロゴロとエンジン音を響かせて、甘えた声を出す白猫は体調が悪い訳ではなさそうだ。 じゃあなんでこんなに冷たいんだ? あぁ、もしかして、これは可能性のひとつだけど……僕は白猫を抱いたまま、片手を湾曲させて精神を集中させた。 数秒後、線状の赤い光がバチバチとスパークしながら指に絡み始める。 僕は電気を帯びたままの人差し指を白猫の鼻先に向けた。 軽いご挨拶、そのつもりの白猫は人差し指にむかってウニュンと首をのばした。 その時、 バチバチ! あぁ、そうか。 やっぱりそうだったのか。 僕の指先から放出された赤い電流は、しっかりと白猫の鼻先に繋がっていた。
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