第七章 霊媒師休日

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◆ 「キミはこの世の猫じゃなかったんだね」 僕の手のひらに自分の頭をこすり付ける白猫は、無邪気に喉を鳴らしている。 「もしかして本当にこの神社の護り神なのかなぁ」 白猫は僕を見つめながら長いしっぽをピンと立て、ブルブルと小刻みに震わせ始めた。 「や!ウソ!しっぽが震えてる!これって『オマエ大好き!』って意味だよね!嬉しいなぁ、僕を好きになってくれたのか!僕もキミが大好き…………あれ?」 直球の愛情表現に嬉しく思いながら、立てたしっぽに違和感を感じた。 なんだろう……? なにかが違う……? 僕はキュートなしっぽをジッと見る。 一見普通のしっぽのようで、なのに感じるこの違和感……。 …… ………… ………………あーーーーっ! わかった! Yの字になってるんだっ! よくよく見ればそのしっぽ、先端から数センチの所から小さく2つに分かれてる。 血が出てる訳じゃないし、どうもケガじゃなさそうだ。 てことは……この仔、猫又だっ! 聞いた事があるぞ! 猫は年をとるとだんだん妖力が備わって、人語を理解したり、しっぽが二股に分かれるんだ! てか、それ、都市伝説じゃなかったの!?いたんだ!ホンモノ!! まだ先端数センチだから猫又になりかけっていうか、猫又見習いっていうか、そんな感じっぽいけど、それならすごく納得だ! 猫又だから僕の言葉を理解する事ができるんだね! そうだったのか! スゴイ!スゴイ仔と出逢ってしまった! しかも猫又見習いって事は妖怪であって、この神社の神様じゃないよね? たぶんそうだと思うけど、一応、本ニャンに確認しとこ。
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