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「キミはこの世の猫じゃなかったんだね」
僕の手のひらに自分の頭をこすり付ける白猫は、無邪気に喉を鳴らしている。
「もしかして本当にこの神社の護り神なのかなぁ」
白猫は僕を見つめながら長いしっぽをピンと立て、ブルブルと小刻みに震わせ始めた。
「や!ウソ!しっぽが震えてる!これって『オマエ大好き!』って意味だよね!嬉しいなぁ、僕を好きになってくれたのか!僕もキミが大好き…………あれ?」
直球の愛情表現に嬉しく思いながら、立てたしっぽに違和感を感じた。
なんだろう……?
なにかが違う……?
僕はキュートなしっぽをジッと見る。
一見普通のしっぽのようで、なのに感じるこの違和感……。
……
…………
………………あーーーーっ!
わかった!
Yの字になってるんだっ!
よくよく見ればそのしっぽ、先端から数センチの所から小さく2つに分かれてる。
血が出てる訳じゃないし、どうもケガじゃなさそうだ。
てことは……この仔、猫又だっ!
聞いた事があるぞ!
猫は年をとるとだんだん妖力が備わって、人語を理解したり、しっぽが二股に分かれるんだ!
てか、それ、都市伝説じゃなかったの!?いたんだ!ホンモノ!!
まだ先端数センチだから猫又になりかけっていうか、猫又見習いっていうか、そんな感じっぽいけど、それならすごく納得だ!
猫又だから僕の言葉を理解する事ができるんだね!
そうだったのか!
スゴイ!スゴイ仔と出逢ってしまった!
しかも猫又見習いって事は妖怪であって、この神社の神様じゃないよね?
たぶんそうだと思うけど、一応、本ニャンに確認しとこ。
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