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「キミはこの神社の神様なの?」
ニャニャニャニャ!
白猫はブンブンと顔を横に振った。
やっぱり!
「じゃあ、ここに住んでるの?」
ニャニャ……?
白猫は首を傾げて、どうでしょう?的なリアクション。
「じゃあ……キミは誰か家族とか仲間がいて、決まった帰る場所が……あるの?」
ニャァ……
今度は力なく顔を横に振った。
「そうか!そうなんだ!キミは今フリーで、神様じゃないから神社から出られないって事もないんだね?それなら僕の家に来ない?家にくれば雨の日も風の日も心配しらないし、キミの食べたいものはなんでも用意するし、それに当たり前だけどキミの事一生大事にする!……って、もちろんキミが良ければの話だけど……どうかな?」
ニャッニャッ。
白猫は僕のお願いに、行ってあげてもいいわよ的な感じで顔を縦に振った。
だいぶ上から目線だけど、さっきから喉のゴロゴロは爆音レベルで鳴っている。
や……やった……!
OKもらった……!
最高だ……こんなにかわいい仔が僕と一緒にいてくれるなんて……なんたる幸運!
いつか猫が飼いたくて、ペット可のアパートに引っ越そうと思ってたけど、その必要もなくなった。
だってこの仔は猫又だもん!
僕や社長や、霊力を持っている人にしか視えないもんね!
ペット可とか不可とか、もはやそんなの関係ない!
「あ!そうだ!名前!名前はなんていうの?って、そうか、人語を理解できても人語を話す事はできないよね。じゃあ、僕が決めてもいいかな?えっとねぇ、キミは真っ白で雪のようにキレイだから……大福!大福にしよう!僕、大福のアイスが大好きなんだ!白くてひんやりして甘くておいしい!キミにぴったりの良い名前だろう?」
ニャニャ!
大福という名前を気に入ってくれたのか、弾む鳴き声で返事をすると、ピョンと僕の肩に飛び乗った。
運命、まさに運命の出逢いだった。
これから長い長い時間を共に過ごす事になる大福。
この仔は後々、霊媒師としての僕を幾度となく助けてくれる護り神になるのだが……それはまた追々と。
まずは大福の為に猫専用おやつをいっぱい買い込まなくちゃ!
言っておくけど、僕は猫に対して甘々よ?
大福ー!
これからよろしくね!
ずーーーーっと一緒にいようねっ!
ひゃっほう!
霊媒師休日__了
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