第八章 霊媒師と大福ー1

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ある日、私の元に新入りが挨拶に来た。 それは私の毛皮に負けず劣らずの純白のハムスターで、猫である私を見てブルブルと震えていた。 「私はネズミを捕って食べたりはしないから安心していいわ。ここにはたくさんの食べ物と清らかな水があるんだもの。私だけじゃない、ここにいる動物達は争い事を好まないの」 白いハムスターは私の言葉は理解できていないようだったけど、香箱座りで爪どころか手も出さない私に安心したのか、やがて小首を傾げて尻の下に隠していたヒマワリの種を差し出した。 「私にくれるの?」 そう尋ねると、種を手に持ったまま恥かしそうにお尻をフリフリさせている。 「ありがとう、いただくわね」 あまり大きな口を開けたら怖がらせてしまうと思った私は、人で言うおちょぼ口で種を受け取った。 ハムスターは嬉しいのか、ピョンピョンと跳ねている。 「ハムスター、あなたの名前はなんていうの?私は小雪、雪のように白いからってお姉ちゃんがつけてくれたの、って言ってもわからないか……」 ハムスターは話を聞き終わる前に、ことわりもなく私の身体によじ登りはじめた。 そして背中まで到着すると、あろう事かそのまま寝息を立てて眠ってしまった。 「呆れた……」 初対面で、しかも最初は震えていたのに、このマイペースっぷりはなんなの? この無礼なハムスターをどうしてくれよう……。 私は考えた末、生意気なハムスターを起こしてしまわないように、また背中から落ちてしまわないように、半日もの間、あたたかい陽だまりでただじっとしている事にしたのだった。
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