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呆れて男を凝視していると、そんなのお構いなしにベタ褒め砲をぶちかます。
「かわいい!キレイ!ツヤツヤ!」
ちょっと、そんな、言いすぎよ、
それ褒めすぎじゃ……えぇ?そーお?そーかしら?
そんなにツヤツヤかしら?
確かに毛皮のお手入れは頑張ってる方だと思うけど、でも、やっ、言いすぎよ、えぇ?ホントにそう思う?
褒め殺しにあうとはこういう事を言うのだろう(もう死んでるけど)。
どうしよう、いい気分になってきたわ。
さらに男は言った。
「シロネコちゃんはこの神社の護り神なのかな?気品があるし神々しいねぇ」
ちょーーーーーーーーーーーーーっ!!
護り神って!!
気品って!!
と、舞い上がってしまった私はついうっかり神様仏様繋がりで、昔テレビで見た『奈良京都・大仏スペシャル』という番組の大仏様のポーズをとってしまった。
本来の私は調子に乗りやすいタイプなのだ。
途端に場が静まり返った。
男は目を見開いたり、口を尖らせたりと大忙しで表情を変えながら考え込んでいる。
そして時たま私を見ては首を傾げていた。
まずい。
私、猫なのに人語を理解できるってばれてしまったかもしれない。
さすがにそれは気持ち悪いって思われてしまう。
人の子が求める猫象とは、『かわいくてツンデレ』ってトコでしょう?
それが人語も文化も理解できますってばれたらドン引きされる。
と、とりあえず、ここは猫らしく毛繕いでもして……。
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