第八章 霊媒師と大福ー2

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しばらく疑惑の目で私を見ていた男だったが、仕切り直しのようにニッコリと笑った。 そして、 「シロネコちゃぁん、かわいいねぇ、」 おっ? なんとかごまかせたか? 私は普通の猫らしく、うにゅん!と鳴いて小首を傾げた。 「ツヤツヤ毛並みもキレイだし、」 やだっ! また褒め殺し?(だから、もう死んでるけど) うなーん! ふふふ、毛並みにはちょっと自信あるのよね。 「だけどお腹はタプタプでオッサンみたいだねぇ、」 そうでしょ、タプタプ……って、オィ! これはタプタプじゃなくってルーズスキン! このタプタプは必要枠なんですぅ! そもそも私、オッサンじゃないわ!メスだわ! どっちかって言ったら30才のおまえの方がオッサンじゃ! オアァア゛!? ニ゛ャッ!!ニ゛ャッ!! 私は怒りにまかせ、自慢の尻尾をビタンビタンと打ち付けて、デスボイスで抗議した……って、しまった! これじゃあ、人語理解できますって言ってるようなものじゃない! 完全にばれたよ! これで気持ち悪い猫認定されたな! お、終わった……!!
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