第八章 霊媒師と大福ー2

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◆ 「キミはこの世の猫じゃなかったんだね」 肯定だ。 なのに、ちっとも驚かないのだな。 私は男の手のひらに自分の頭を擦りつけて、自分のものであるというマーキングをした。 「もしかして本当にこの神社の護り神なのかなぁ」 ちがうよ。 そんなわけないだろう? そんな事より、私、けっこうおまえが好き。 素直にそう思えたとたん、しっぽがブルブルと震えだす。 「や!ウソ!しっぽが震えてる!これって『オマエ大好き!』って意味だよね!嬉しいなぁ、僕を好きになってくれたのか!僕もキミが大好き…………あれ?」 あれ?と首を傾げて、私のしっぽの先を凝視して……なんだかよくわからんが、興奮気味に騒いでいる。 1人で盛り上がってズルイぞ。 「キミはこの神社の神様なの?」 ニャニャニャニャ! わたしはブンブンと顔を横に振った。 さっきのは冗談じゃなかったのか! そんな訳ないだろう、私はただの猫だよ。 「じゃあ、ここに住んでるの?」 ニャニャ……? いや、まだ現世着いたばかりだし。 「じゃあ……キミは誰か家族とか仲間がいて、決まった帰る場所が……あるの?」 ニャァ…… 思い出させないでぇ…… お姉ちゃんに忘れられ、可愛がってたネズミっ子もいなくなっちゃったんだから…… 私は力なく顔を横に振った。
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