第八章 霊媒師と大福ー2

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「そうか!そうなんだ!キミは今フリーで、神様じゃないから神社から出られないって事もないんだね?それなら僕の家に来ない?家にくれば雨の日も風の日も心配いらないし、キミの食べたいものはなんでも用意するし、それに当たり前だけどキミの事一生大事にする!……って、もちろんキミが良ければの話だけど……どうかな?」 ニャニャッ。 え、えぇ? ま、まぁ、そんなに言うなら行ってあげてもいいけど……本当?本当にいいの? ああ、喉のゴロゴロが止まらない。 「あ!そうだ!名前!名前はなんていうの?って、そうか、人語を理解できても人語を話す事はできないよね。じゃあ、僕が決めてもいいかな?えっとねぇ、キミは真っ白で雪のようにキレイだから……大福!大福にしよう!僕、大福のアイスが大好きなんだ!白くてひんやりして甘くておいしい!キミにぴったりの良い名前だろう?」 大福ぅ!? “真っ白で雪のようにキレイだから” イイ線まできてたのに、そこまできたら普通は”雪”の一文字入れるんじゃない? なのに大福ぅ? まったくもって、この男は……ニャハハハハハハハハハハハハ!! あー、なんか久しぶりに笑った気がする。 ニャニャ! 私はピョンと男の肩に飛び乗った。 猫馬鹿でネーミングセンスはイマイチだけど優しくてあたたかい。 現世に戻って最初に出逢ったのがコヤツであったのも、なにかの縁。 いや、運命だったのかもしれないな。 ふふ、ちと大袈裟かな? まあ、ともかく若き人の子よ。 これからよろしくニャーッ!!
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